免疫低下させカメムシ撃退 農研機構2019年2月27日
農研機構は2月25日、これまでに知られていない昆虫の免疫機構の一端を、果樹の害虫であるチャバネアオカメムシで解明したと発表した。
農研機構は産業技術総合研究所と共同で、カメムシ目昆虫特有の免疫応答メカニズムの一端を解明した。
多くの生物は、体内に侵入した微生物などの異物を素早く認識し、迅速に排除して身を守る免疫という仕組みを持つ。昆虫の体液(血液)内の免疫に関わるタンパク質が細菌の表面にある物質(ペプチドグリカン)を認識すると、免疫応答が活性化する。ほかの昆虫では細菌の認識に関わるタンパク質はいくつか知られていたが、チャバネアオカメムシでは既知のものに加え、これまで昆虫の免疫に関与するとは考えられていなかったタンパク質(Lysin Motifと呼ばれる機能を含む。LysMと表記)が細菌を認識し、免疫応答を活性化することが明らかとなった。
LysMはカメムシ目以外の昆虫からは見つかっていないため、LysMを標的にすればカメムシ類だけに作用し、ほかの有用昆虫などに影響しない害虫制御技術が開発できる。
昆虫の免疫機構は微生物などが体内へ入ったことを認識することで働くが、カメムシ目昆虫には特有の微生物認識タンパク質が存在することを世界で初めて明らかにした。
このことから、カメムシ類だけに作用する新しい害虫制御技術開発への応用が期待できる。
(写真)チャバネアオカメムシ成虫(農研機構提供)
(関連記事)
・【現場で役立つ農薬の基礎知識2018】果樹カメムシ防除のポイント 飛来初期の低密度時に防除を(18.07.23)
・重要害虫を同時に防除「テッパン液剤」発売 石原バイオサイエンス(18.05.18)
・斑点米カメムシや吸汁性害虫に効果 ダウが新剤(18.01.26)
重要な記事
最新の記事
-
【11月中酪販売乳量】1年2カ月ぶり前年度割れ、頭数減で北海道"減速"2025年12月18日 -
【消費者の目・花ちゃん】ミツバチとともに2025年12月18日 -
一足早く2025年の花産業を振り返る【花づくりの現場から 宇田明】第75回2025年12月18日 -
笹の実、次年子・笹子【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第369回2025年12月18日 -
虹コンのレインボーファーム「農閑期は焼肉ぴゅあに行くっきゃない!」スタンプラリー実施 JA全農2025年12月18日 -
「淡路島産白菜」使用 カレーとシチューメニューをハウス食品と提案 JAグループ兵庫2025年12月18日 -
畜産の新たな社会的価値創出へ 研究開発プラットフォーム設立 農研機構2025年12月18日 -
佐賀の「いちごさん」表参道でスイーツコラボ「いちごさんどう2026」開催2025年12月18日 -
カインズ「第26回グリーン購入大賞」農林水産特別部門で大賞受賞2025年12月18日 -
軟白ねぎ目揃い会開く JA鶴岡2025年12月18日 -
信州りんご×音楽 クリスマス限定カフェイベント開催 銀座NAGANO2025年12月18日 -
IOC「オリーブオイル理化学type A認証」5年連続で取得 J-オイルミルズ2025年12月18日 -
【役員人事】クミアイ化学工業(1月23日付)2025年12月18日 -
油糧酵母ロドトルラ属 全ゲノム解析から実験室下での染色体変異の蓄積を発見 東京農大2025年12月18日 -
約1万軒の生産者から選ばれた「食べチョクアワード2025」発表2025年12月18日 -
兵庫県丹波市と農業連携協定 生産地と消費地の新たな連携創出へ 大阪府泉大津市2025年12月18日 -
乳酸菌飲料容器の再資源化へ 神戸市、関連14社と連携協定 雪印メグミルク2025年12月18日 -
特別支援学校と深める連携 熊谷の物流センターで新鮮野菜や工芸品を販売 パルライン2025年12月18日 -
東京の植物相を明らかに「東京いきもの台帳」植物の標本情報を公表2025年12月18日 -
鳥インフル 米国からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年12月18日


































