太陽光発電の収益の一部を酒田市に寄附 生活クラブ設立の発電会社2020年2月25日
生活クラブ生協連合会(生活クラブ)とその提携生産者が設立した発電会社、(株)庄内自然エネルギー発電は2月14日、発電事業の収益の一部を山形県酒田市に寄附した。
2019年4月から本格稼働した庄内・遊佐太陽光発電所は、
約31haの遊休地を利用し、約5700世帯分を発電する。
生活クラブグループ各団体とその提携生産者などは2019年2月、発電量年間約1万8000メガワット・時の「庄内・遊佐太陽光発電所」を山形県遊佐町に建設した。その目的は、庄内の地域資源である自然エネルギーで発電した電力を供給し、その収益を持続可能な地域社会づくりに活用することだ。同年5月、同発電所の本格稼働に際し、山形県酒田市、遊佐町、生活協同組合庄内親生会、生活クラブ連合会、(株)庄内自然エネルギー発電の5者で「庄内自然エネルギー発電基金(仮称)」創設に向けた共同宣言および同宣言に基づく協定を締結した。
今回、その第1回目の寄付金1000万円を酒田市に贈呈した。同市は、共同宣言および協定に基づき市議会3月定例会へ庄内自然エネルギー発電基金の設置を提案する。
2月14日に酒田市役所で行った寄附贈呈式の出席者のあいさつの概要は次のとおり。
▽(株)庄内自然エネルギー発電代表取締役・新田嘉七氏
この事業は地域へ貢献したいという動機で始めた。特に食(F)、エネルギー(E)、福祉(C)をこの地域で自給し、庄内地方の持続可能性を実現する活動に貢献したい。
▽酒田市市長・丸山至氏
生活クラブと庄内地方の提携生産者の長きにわたる食を通じた関係が発展し、本日、地域のために庄内・遊佐太陽光発電の収益の一部を寄附いただくことになって感謝する。寄付金は、今年3月の市議会へ基金設置を提案し、今後その使途を検討する。共同宣言を締結した5団体が連携し、新しい都市と地方の関係を築けるよう、庄内の持続可能な地域づくりに役立てたい。
▽遊佐町副町長・本宮茂樹氏
遊佐町の広大な敷地に庄内・遊佐太陽光発電所をつくり、その収益を持続可能な地域づくりに活用する先進的な取り組みが始まり、大いに期待している。遊佐町では環境保全の取り組みなどをさらに進めていきたい。
▽生活クラブ連合会会長・加藤好一氏
生活クラブは約50年、庄内の豚肉や米の生産者とつながってきた。このような関係性を生活クラブでは「共同購入」「産直」など様々な言葉で語ってきたが、庄内地方と生活クラブの関係性は常に特別で、先進的なモデルケースを構築してきた。食の提携で築き上げた関係がさらにエネルギーの分野に進み、地域への貢献にまで進められようとしている。皆さんに感謝する。
▽生活クラブ連合会常務理事・渡部孝之氏
当会の共同購入の供給高約900億円の1割強が庄内産のものであり、事業規模でも関係性の深さが現れている。食で庄内との関係を築いてきたように、エネルギーの取り組みや地域づくりにも、共同宣言を締結した5団体とともに進めていく。
(左から)遊佐町本宮茂樹副町長、(株)庄内自然エネルギー発電新田嘉七代表取締役、
酒田市丸山至市長、生活クラブ連合会加藤好一会長、同連合会渡部孝之常務理事
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
アメリカ・バースト【小松泰信・地方の眼力】2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
農地マップやほ場管理に最適な後付け農機専用高機能ガイダンスシステムを販売 FAG2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日