新型コロナウイルス感染防止でJA総代会延期も 農水省が通知2020年3月11日
例年3月以降、多くの農協で総会(総代会)が開かれる。ところが今年は新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためにさまざまなイベントの中止や延期が相次ぐ中でどうするかは難しい判断が求められるだろう。農林水産省経営局は2月27日、自治体に対し「農業協同組合の通常総会の開催時期について」を通知している。
政府は新型コロナウイルスの感染がさらに拡大した場合に備え、3月10日の閣議で、総理大臣が「緊急事態宣言」を行い、自治体による外出の自粛や学校の休校などの要請や指示を可能にするための法案を決定した。この法案は11日に衆議院で審議入りし、13日の成立と翌14日に施行という方向で調整が進んでいる。
これまでも政府は、この感染症を終息させるためにさまざまな取り組みを行ってきたが、農林水産省のWebサイトのトップページの「注目情報」のコーナーには、同省に関係する「新型コロナウイルス感染症について」の情報がまとめられている。▽「国民の皆様へ」▽「農林漁業者の皆様へ」▽食品等取扱い事業者の方へ」▽「畜産関係者の皆様へ」▽「農林水産省の対応(取組)」「新型コロナウイルス感染症に係る相談窓口一覧」および「これまでの取組」に分類整理された同省の対策の全体像を知ることができる。
この中に、新型ウイルス感染症に関し同省が行った「自治体に対する通知」についてもタイトルが記されている。「2月27日、経営局は自治体に対し、『農業協同組合の通常総会の開催時期について』を通知」、「2月28日、林野庁は自治体に対し、『森林組合、生産森林組合及び森林組合連合会の通常総会の開催時期について』を通知」などが公開されている。
このうち農協の通常総会の開催時期に関する自治体への通知の概要は次のとおり。
農協の通常総(代)会については、農業協同組合法第43条の2で「通常総会は、定款で定めるところにより、毎事業年度1回招集しなければならない」と規定されているが、今般の新型コロナウイルスの感染の発生状況を踏まえ、感染拡大の防止という観点から、次の対応が可能であることを通知した。
▽定款で規定する時期に通常総(代)会を開催できなくなった場合、開催が可能な状態になった後に、速やかに通常総(代)会を開催すれば、法令上も定款上も問題はない。
▽通常総会の開催にあたり、感染機会を減らすための工夫として、定款の定めにより、書面による議決権を行使することは可能。
▽ディスクロージャー誌については、農協法施行規則第206条第1項に基づき、事業年度経過後4か月以内に縦覧を開始しなければならないとされているが、同条第2項に基づき、行政庁の承認を受けて縦覧の開始を延期することは可能。
農林水産省のWebサイトのトップページ
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