農作業事故死亡274人 前年比30人減-平成30年2020年5月7日
農林水産省は5月1日、平成30年に発生した農作業死亡事故についてとりまとめた。
農作業事故の死亡者数は274人で前年より30人減少した。農林水産省は全国での農作業の死亡事故の実態と原因などを把握するた厚生労働省の「人口動態調査」の死亡個票から実態をとりまとめている。平成30年は昭和46年の調査開始以来、最小となった。
事故区分でみると農業機械作業に関わる事故は164人で59.9%を占めた。農業用施設作業に関わる事故は13人で4.7%、これら以外の作業での事故が97人で35.4%となった。機械事故は引き続き最も多いが、昨年とくらべて10ポイント減で、それ以外が9ポイント増となった。
年齢階層別にみると65歳以上の高齢者が237人で86.5%を占め、このうち80歳以上は144人で52.6%となった。調査開始以来最も高い割合となった。男女別では男性が225人(82.1%)、女性が49人(17.9%)となった。
機種別では「乗用型トラクター」による事故がもっとも多く73人を占めた(農作業死亡事故全体の26.6%)。ついで「歩行型トラクター」が24人(8.8%)、農用運搬車(軽トラック含む)が18人(6.6%)と、これら3機種で農作業死亡事故の42.0%を占めている。
原因は乗用型トラクターでは「機械の転落・転倒」が46人(63.0%)ともっとも多い。歩行型トラクターでは「挟まれ」が11人(45.8%)ともっとも多く、ついで「回転部等への巻き込まれ」が6人(25.0%)となっている。農用運搬車では「機械の転落・転倒」が9人(50.0%)ともっとも多い。施設事故は作業舎の屋根、高所からの「墜落、転落」が11人(84.6%)ともっとも多い。
農機や施設以外の事故でもっとも多かったのが「熱中症」で43人(44.3%)と調査開始(平成16年)以降もっとも多く、ついで「稲ワラ焼却中等の火傷」が23人(23.7%)となった。
月別では「7月」が57人(20.8%)、ついで「5月」31人(11.3%)、「6月」28人(10.2%)となった。
10万人あたりの死亡事故発生件数は全産業で1.4人、建設業で6.1人となっているが、農業では15.6人と建設業の2.5倍になる。
農林水産省は令和4年の農作業事故死亡者数を半減させる目標に「見直そう!農業機械作業の安全対策」を重点推進テーマに3月1日から春の農作業安全確認運動を実施している。
重要な記事
最新の記事
-
【注意報】野菜類、花き類、豆類にシロイチモジヨトウ 県内全域で多発のおそれ 兵庫県2025年9月22日
-
【注意報】カキ、かんきつ類、ナシに果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 三重県2025年9月22日
-
アメリカ産米 輸入量2000倍に 民間輸入が急増2025年9月22日
-
【サステナ防除のすすめ2025】施設イチゴ 低温好み病害多く2025年9月22日
-
備蓄米の有効活用法が席上取引会で話題に【熊野孝文・米マーケット情報】2025年9月22日
-
過去最高 60kg2万4825円 24年産米平均価格2025年9月22日
-
米価 3週連続上昇 5kg4275円 農水省2025年9月22日
-
「企業と森林の共創によるwin-winな未来へ」シンポジウム開催 農水省2025年9月22日
-
秋の味覚「長野県産ぶどう三姉妹フェア」26日から開催 JA全農2025年9月22日
-
地域振興支援プロジェクト JR大阪駅で「みのりみのるマルシェ京都の実り」開催 JA全農2025年9月22日
-
名古屋市が発行する「グリーン/ネイチャーボンド」に投資 JA共済連2025年9月22日
-
JA共済連が交通ルール意識調査 日常運転に潜む「うっかり違反」リスク明らかに 約7割が学び直し希望2025年9月22日
-
林先生やQuizKnockも登場「食と農でつながる国消国産フェス」開催 JAグループ2025年9月22日
-
社用車のEV化へ となみ衛星通信テレビと共同実証実験開始 JA三井リース2025年9月22日
-
大阪・御堂筋でマルシェ開催 近畿地方の旬の特産物揃う 農林中金大阪支店など「御堂筋天国プロジェクト」2025年9月22日
-
「Diversity Equity & Inclusion Book」を発行 個性や魅力の発揮で新たな価値を生み出す 農林中金2025年9月22日
-
お通じを改善 機能性表示食品「おなかすっきりヨーグルト」新発売 協同乳業2025年9月22日
-
【人事異動】ヤマタネ(10月1日付)2025年9月22日
-
長岡市と地域素材の活用でタッグ 「Biondo」で売り手と買い手つなぐ 住友化学2025年9月22日
-
愛媛県「愛ビーチ制度」で堀江海岸の清掃活動 井関農機2025年9月22日