環境危機時計の時刻が最も進む 旭硝子財団2020年9月14日
旭硝子財団がまとめた「地球環境問題と人類の存続に関するアンケート」結果の2020年版によると、環境危機時計の時刻は9時47分となり、最も針が進んだ一昨年と同時刻となったことなどが分かった。

1992年から実施しているアンケート調査の最新版で、対象は世界各国の政府や自治体、NGO/NPO、大学・研究機関、企業やマスメディアなど環境問題の有識者。2万7925人に回答を求め、1813人分回収した。
今回、9時47分となった世界の環境危機時計の時刻は昨年より1分進んだ。1992年の調査開始以来針が最も進んだ2018年と同じ時刻で、2019年の9時46分を合わせ、3年連続高い危機意識を示す結果になっている。
2000年を除き常に9時台の「極めて不安」の領域にある。
昨年から最も針が進んだのは東欧・旧ソ連で17分、2018年と比べると約50分進んだ。
日本は昨年より7分進んで9時46分となり世界平均と並んだ。
危機意識が最も高いのは10時台を示す北米とオセアニアで、逆に最も低いのは、唯一8時台にとどまるアフリカ。北米やオセアニアとの差は約2時間ある。
危機意識が高い世代は60代以上が他の世代に比べて高く、危機時刻を決めるうえで重視する項目は、2011年以来「気候変動」で一貫している。
環境危機時刻を決める際に最も多く選ばれた「地球環境の変化を示す項目」は、前年同様「気候変動」が最多を占め、「生物圏保全性(生物多様性)」、「社会、経済と環境、政策、施策」、「水資源」、「人口」、「生物化学フロー(環境汚染)」、「ライフスタイル」、「陸域系の変化(土地利用)」、「食料」などが続いている。
「脱炭素社会への転換」と「地球環境の変化を示す項目」について尋ねると、前者は「どちらかといえば進んでいる」ものの、「政策・法制度」や「社会基盤(賃金、人材、技術、設備)」の面が、一般人の意識としてはほとんど進んでいないという結果になった。
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