勇払原野の風力発電計画中止を 日本野鳥の会と自然保護団体2020年10月1日
北海道の勇払原野で進められている風力発電計画の中止を求めている日本野鳥の会(遠藤孝一理事長)は9月29日、全国規模で活動する2つの自然保護団体との連名で、計画を進める大阪ガス(株)に事業見直しを求める要望書を提出した。
日本野鳥の会が今年7月以来事業中止を求めている勇払原野は、北海道の道央圏に位置する苫小牧から太平洋に至る希少鳥類が生息する一帯を指し、かつて釧路湿原やサロベツ原野と並ぶ三大原野と呼ばれていた一帯のこと。ピーク時におよそ3万6000ヘクタールあった原野はこの50年で著しく減少したが、ラムサール条約湿地であるウトナイ湖を含み、水鳥や草原性鳥類を含め絶滅危惧のある鳥類生息地として重要な役割を果たしている。
苫小牧市字弁天~むかわ町字鹿沼にまたがる同原野東部で進められている「苫東厚真風力発電事業(仮称)」の事業主体はDaigasガスアンドパワーソリューション(株)だが、その親会社の大阪ガス(株)に対して連名で要望書を今回提出したもの。
日本野鳥の会とともに名を連ねたのは、日本自然保護協会と世界自然保護基金ジャパンで、いずれも全国規模で活動する自然保護団体。
4000キロワット級の風車を最大10基建設することを計画しているが、マガンやタンチョウ、オジロワシ、オオワシ、チュウヒ、ハヤブサ、オオジシギ、アカモズなど絶滅危惧種に指定される鳥類が多く生息している同地域は「希少種のゆりかご」とも呼ばれ、多大な影響が及ぶことが懸念されている。
なかでも国内希少種に指定されるチュウヒは国内90つがい中7つがいが計画地内に繁殖しており、風車建設で国内繁殖数の約1割(8%)が消失すると推計されている。
今回の3者連名での要望に先立つ6月にはDaigasガスアンドパワーソリューションに事業計画の中止を要請し、翌7月には北海道知事と環境大臣あてに要望書や配慮書を提出して行政指導を要望していた。
日本野鳥の会のサポーターは現在およそ5万人いる。
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