かいよう病などの発生が多い 長崎県が温州みかんの病害虫発生を調査2020年12月4日
長崎県病害虫防除所は12月3日、温州みかん果実の病害虫発生被害をまとめた結果を公表。今年度の病害虫発生状況を的確に把握することで、防除暦作成や防除指導の参考にするよう呼びかけている。
今回の調査は11月11日~20日(うち4日間)に行われ、諫早市多良見、西海市西彼、大村市、雲仙市瑞穂、佐世保市を対象産地として、各産地の防除暦に準じた防除を行っている生産者1地区3名を選定。各産地の主要品種である原口早生、宮川早生、させぼ温州等を調査対象とした。
調査項目はそうか病、かいよう病、黒点病(前期型、後期型)、灰色かび病、すす病、ヤノネカイガラムシ、ナシマルカイガラムシ、アカマルカイガラムシ、訪花性害虫、チャノキイロアザミウマ(果梗部、果頂部)、ハナアザミウマ類、サビダニ、ミカンハダニ、カメムシ類、風ずれ、その他。
調査方法として、1生産者あたり200個の果実を任意に抽出し、病害虫の被害状況を肉眼で観察した。ただし、調査対象は家庭選果前の果実とした。調査は被害程度別に行い、調査項目ごとに被害果率、被害度を算出した。
調査結果及び考察は次のとおり。
〇かいよう病
平年と比べ発生が多かった。特に越冬病斑の発生が平年より多く、伝染源となる発病葉からの感染が台風で助長されたことが要因と考られる。
〇そうか病
被害果の発生は認められなかった。その要因として、主な感染時期である4月上旬の降水量が平年より少なかったことに加え、各産地で発芽期以降の防除が徹底されたことを挙げている。
〇黒点病
前期型病斑は平年に比べ少なかったが、後期型病斑は平年に比べ多く発生した。前期型病斑が少なかった要因として、梅雨入り前までの降水量が平年に比べ並か少なく、また梅雨入りが6月11日頃と遅かったことが考えられる。
一方、後期期型病斑の発生が平年に比べ多かった要因として、梅雨入り以降の降水量が平年より多く、梅雨明けも7月30日頃と平年に比べ遅かったことや9月上旬の台風9号、10号による強風雨で感染が助長されたとしている。
これらの要因から、梅雨期に曇りや雨の日が長かったため、降雨状況に応じて実施する薬剤散布が十分に出来なかった園地が多かったものと考えられる。
〇灰色かび病
平年に比べ多い発生だった。感染期にあたる5月中旬の降水量が平年より多かったためと考察している。
〇すす病
平年に比べ少ない発生だった。
〇チャノキイロアザミウマ
果梗部の被害は平年に比べやや多く、果頂部の被害は平年並の発生だった。果梗部の被害果がやや多かった要因として、2月~5月の気温が高く、4~5月の降水量が平年より少なかったことが、チャノキイロアザミウマの発生を助長した要因とみている。
〇ミカンハダニ
平年に比べ少なかった。その要因として、梅雨期の降水量が平年より多く、期間が長かったことに加え、9月上旬の台風9号、10号による強風雨の影響で増殖が抑制されたと考えられる。
〇カイガラムシ類(アカマルカイガラムシ、ナシマルカイガラムシ、ヤノネカイガラムシ)
アカマルカイガラムシは平年と比べ少なかった。ナシマルカイガラムシとヤノネカイガラムシは認められなかった。
〇ハナアザミウマ類
平年に比べ少なかった。
〇訪花性害虫
平年に比べ多い発生だった。その要因として、暖冬で越冬虫数が多かったことを挙げている。
〇サビダニ
被害果の発生は認められなかった。
〇カメムシ類
被害果の発生は認められなかった。
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