サツマイモ基腐病が発生、県内初確認 茨城県2021年7月1日
茨城県病害虫防除所は、県内で初めてサツマイモ基腐病を確認し、6月29日に病害虫発生予察特殊報第1号を発表した。関東地方での発生は群馬県(既報)に続き2県目。
塊根の症状(品種「高系14号」)(出典:生研支援センターイノベーション創出強化研究推進事業(01020C)令和2年度版マニュアル「サツマイモ基腐病の発生生態と防除対策」)
6月に県南地域のサツマイモほ場で、茎葉部の黄化や茎地際部の黒変症状が確認された。このほ場で採取したサツマイモ茎葉の診断を、農研機構植物防疫研究部門に依頼した結果、同県で未発生のサツマイモ基腐病と同定された。
国内の発生報告では、平成30(2018)年に沖縄県で初めて確認され、その後、鹿児島、宮崎、熊本、福岡、長崎、高知、静岡、岐阜、群馬県の計10県で確認されている。
この病は、ヒルガオ科植物のみに寄生し、苗床で発病した株は、苗基部の黒変、地上部の葉巻や萎縮症状などがみられる。ほ場では、茎の地際部の黒変、茎葉の黄変、しおれ症状などが発生する。茎葉が繁茂する時期は、茎が黒~黒褐色に変色し、地上部が枯死する。
塊根の症状では、主になり首側から腐敗し、塊根全体まで拡がる。収穫時には無病徴でも、収穫後の貯蔵中に発病することがある。
発病株には、多数の柄子殻が形成され、降雨などの水で内部から大量の胞子が漏出する。胞子は、激しい風雨やほ場の停滞水で、畝や畝間に沿って拡散し、周辺の健全な株に感染する。
防除対策は次のとおり。
○採苗する場合は、腐敗や傷のない健全な種イモを使用し、採苗当日に必ず苗消毒を行う。購入苗も、未消毒の場合は苗消毒を実施する。
○ほ場をよく観察し早期発見に努め、発病株(茎葉や塊根)は速やかに抜き取り、ほ場やその周辺に残さないよう適正に処分する。
○発病株の除去後は、周辺株への感染を防止するため、この病に登録のある農薬散布を行う。
○この病が発生したほ場では、次作のサツマイモ栽培を控え、ヒルガオ科以外の作物で輪作する。
○ 排水が不良な場所で発病しやすいため、排水対策を徹底する。
○この病原菌は、サツマイモの残さで越冬し、翌年の一次伝染源となるため、サツマイモ残さはほ場外へ持ち出し、適切に処分する。
○発生ほ場で使用した資材などは、消毒・洗浄を徹底する。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(158)-改正食料・農業・農村基本法(44)-2025年9月6日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(75)【防除学習帖】第314回2025年9月6日
-
農薬の正しい使い方(48)【今さら聞けない営農情報】第314回2025年9月6日
-
【注意報】普通期水稲に紋枯病 県内全域で多発のおそれ 長崎県2025年9月5日
-
「適正な価格」の重要性 消費者に訴える 山野全中会長2025年9月5日
-
米価暴落防ぐ対策を 小泉農相に小松JA秋田中央会会長2025年9月5日
-
(451)空白の10年を作らないために-団塊世代完全引退後の「技術継承」【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年9月5日
-
【統計】令和7年産一番茶の荒茶生産量 鹿児島県が初の全国一位 農水省調査2025年9月5日
-
【統計】大豆生産費(組織法人)10a当たり0.7%増 60kg当たり1.6%増 農水省調査2025年9月5日
-
【統計】大豆生産費(個別)10a当たり0.8%増 60kg当たり10.7%減 農水省調査2025年9月5日
-
【統計】冬キャベツ、冬にんじんの収穫量 前年比2割減 農水省調査2025年9月5日
-
長野県産ナガノパープルのスイーツ「いっちょう」「萬家」全店で提供 JA全農2025年9月5日
-
『畜産酪農サステナビリティアクション2025』発行 JA全農2025年9月5日
-
「国産シャインマスカット」全国のファミリーマートで販売 JA全農2025年9月5日
-
「わたSHIGA輝く国スポ2025」参加の広島県選手団へ清涼飲料水贈呈 JA共済連広島2025年9月5日
-
「いちはら梨」が当たるSNS投稿キャンペーン実施中 千葉県市原市2025年9月5日
-
猛暑対策に高性能遮熱材「Eeeサーモ」無料サンプルも受付 遮熱.com2025年9月5日
-
農機具王とアグリスイッチ 構造再編をチャンスに「週末農業プロジェクト」始動2025年9月5日
-
鳥インフル ハンガリーからの生きた家きん、家きん肉等の一時輸入停止措置を解除 農水省2025年9月5日
-
旬の巨峰を贅沢に「セブンプレミアム ワッフルコーン 巨峰ミルク」新発売2025年9月5日