植物防疫法改正案 国会審議へ 総合的防除の仕組み構築2022年3月7日
政府は植物防疫法改正案を2月に閣議決定し国会に提出した。温暖化など気候変動や、人、モノの移動の増加を背景に有害動植物の侵入、まん延リスクが増加していることから、国内への侵入状況を調査する事業を法的に位置づけるほか、総合的な防除の仕組み構築も位置づける。
病害虫は深刻な農業被害をもたらし、現在でも世界の食料の2~4割が病害虫被害によって失われていると推計されている。
このため食料の安定供給には、植物を検疫し病害中の侵入とまん延を防ぐことが重要で、わが国は植物防疫法に基づき植物防疫所を設置して植物防疫官を置き、輸入検疫と国内検疫を行っている。
また、国内の病害虫防除を行うための国内防除、輸出先国・地域の要求に応じた輸出検疫を行っている。
今回の改正で「海外からの病害虫侵入リスクの高まり」に対しては、輸入検疫の対象と権限を強化する。
具体的には、入国旅客の携帯品に対する植物検疫官の検査権限を強化し、入国旅客から申し出がない場合でも必要に応じて質問や携帯品の検査を行えるようにする。輸出検疫でも同様に措置する。
また、土など付着リスクが高い中古農機などにも輸入検疫の対象にできるようにする。輸出検疫と国内検疫でも同じ措置を講じる。
検疫有害動植物・有害植物の定義を見直し、有害植物の定義に雑草を追加。輸入・国内検疫と国内防除の対象とできるようにする。
病害虫が侵入した際のまん延防止策も強化する。
▽植物防疫法に侵入調査事業を位置づけ、国の制度設計のもとで全国斉一的に調査できるようにする。
▽農業者等が調査対象の病害虫の国内侵入のおそれを認めた場合の通報義務を規定。
▽農林水産大臣が緊急防除の対象となる病害虫について防除内容基準を作成した場合は、緊急防除を行う事前周知期間を30日間から10日間に短縮。
▽緊急措置命令の内容に、栽培規制、移動規制、物品、倉庫などの消毒の措置を追加。
今回の法改正は、過度に農薬に依存した防除で薬剤耐性が発生し、いずれは防除が困難になることや、みどり戦略で化学農薬使用量低減を目標としていることから、化学農薬のみに依存しない、発生予防を中心とした総合的な防除の仕組みを構築する。
指定有害動植物の防除に関し、農林水産大臣が基本指針、都道府県知事が基本方針をふまえた計画を定める。都道府県知事は、農業者が遵守すべき事項を定めることができるように規定する。
遵守事項に即した防除が行われず、農作業に重大な損害を与えるおそれがある場合に、農業者に勧告・命令を行うことができる規定も盛り込む。
一方、農産物の輸出拡大に向けては、輸出先国の要求に応じて、病害虫の付着がないことなどと証明するための輸出検査が行う必要がある。
その検査業務が増加していることから、今回の改正で、現在は植物検疫官だけが行うことができる輸出検査の一部を、農林水産大臣の登録を受けた第三者機関も実施できるようにする。
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