秋肥の高騰対策 地域単位で化学肥料2割削減にかかる経費の半額支援へ 農水省2023年6月21日
農水省は今年の秋肥(6~10月)の肥料高騰対策として、化学肥料の2割削減に取り組む地域に対し、500万円を上限にかかり増し経費の半額を支援する仕組みを導入すると発表した。市町村単位で設置されている地域協議会などを通して交付する方針で、7月中旬ごろまでに事業内容を詰めて全国の自治体に説明したいとしている。
肥料高騰対策をめぐっては、ウクライナ危機などで肥料原料が急騰する中、昨年6月から今年5月に販売された肥料を対象に、化学肥料の2割削減に取り組む農家に対し肥料コスト上昇分の7割を補てんしてきた。しかし、肥料原料価格が落ち着き、JA全農が発表した今年の秋肥(6~10月)の卸売価格が、基準銘柄の高度化成肥料で前期比で28%下落する中、地域単位の取り組みを支援する形に切り替えることにした。
新たな対策は、化学肥料の2割削減に取り組む地域に対し、1地域当たり500万円を上限に、かかり増し経費の半額を支援する内容。同省が示す15のメニューから各地域で使途を決めて2割削減に取り組んでもらう。具体的な事例として、混合堆肥複合肥料の導入にかかる運搬費のかかり増し経費や、耕畜連携による稲わらの運搬費や国内資源の運搬費・散布料のかかり増し経費、地域で広く利用する土壌診断装置の機器購入費などが対象になると説明している。
助成金は、農業再生協議会など市町村を最小単位とする地域協議会を窓口に交付する仕組みで、地域協議会が農協や農業者に個別に支援することもできるとしている。
農水省は、今回の支援対策について、肥料価格が落ち着く中でも各地の化学肥料削減の取り組みを着実に後押しして肥料原料の国際価格変動の影響を受けづらい生産体制を確立したいと話している。
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
アメリカ・バースト【小松泰信・地方の眼力】2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
農地マップやほ場管理に最適な後付け農機専用高機能ガイダンスシステムを販売 FAG2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日