空き教室で循環型農業 廃校暫定利用で地域ビジネスを育て地域活性化 大阪府豊中市2024年6月11日
大阪府豊中市は、廃校になった旧野田小学校の空き教室を民間事業者3者に貸し付け、そのうちの1事業者がキノコ栽培を核とした循環型農業を開始。廃校の暫定利用により地域ビジネスを育て地域の活性化をめざす。
貸付場所(東側校舎)
期間は、跡地の本格利用を始める令和8年度末までの2年半で、地元小売店へのキノコの販売や、キノコ収穫祭などのイベントを通じて地域の交流を促進し、活性化をめざす。
廃校利用は全国的に取り組まれているが、本格利用までの暫定期間を利用した取組み事例はめずらしい。市経営戦略課は、「短期間ではあるが、廃校のまま置いておくのではなく、地域の資源として校舎を有効活用するために提案を公募した。地域の課題解決や活性化につながるビジネスの種を撒き、暫定期間終了後には新たなビジネスとして地域に拠点ができて育っていくよう、しっかりとサポートしていきたい」と話している。
同校は、市南部地域の小・中学校の再編により義務教育学校・庄内さくら学園に統合し、2023年3月をもって閉校した。跡地については、当面、校庭や体育館を地域の活動や避難場所として利用しながら、令和9年度(2027年度)以降、本格利用に向けて校舎の解体を進める。
それまでの約2年半の間、校舎を有効に活用するための暫定利用として、地域活性化に資する事業の提案を、個人を含む民間事業者から公募し、3者を受託候補者とした。循環型農業はその第1弾の取組みで、今後、7月から8月にかけて順次、他の事業も始める。
循環型農業の仕組み
循環型農業の仕組み
地域から集めたコーヒーかすをキノコの培地として再利用し、ヒラタケを中心としたキノコを栽培する。栽培後の培地(廃菌床)をカブトムシの幼虫の餌としてカブトムシを育て、出た糞は堆肥として地域の園芸店や農家、家庭菜園を持つ人に提供することで、環境にやさしい循環経済の仕組みを実現する。
循環型農業を運営するのは、社会問題をビジネスで解決するソーシャルビジネスを専門とする株式会社ボーダレス・ジャパン。社会問題解決を目的とした事業(ソーシャルビジネス)に関する創業支援をはじめ、起業のバックアップを行っている。同事業では、運営スタッフとして知的障害のある人も正規雇用し、キノコ栽培作業を行う。
栽培したキノコは、加工・梱包して地元の小売店や飲食店に販売し、地産地消を推進。また、キノコ栽培の過程の見学や収穫祭のイベント、カブトムシ育成ボランティアの募集などを通じて地域と交流し、持続可能な農業を地域全体で進めていくことにより、地域の活性化をめざす。
重要な記事
最新の記事
-
令和7年秋の叙勲 西沢耕一元JA石川県中央会会長ら93人が受章(農協関係)2025年11月3日 -
シンとんぼ(166)食料・農業・農村基本計画(8)農業の技術進歩が鈍化2025年11月1日 -
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(83)テトラゾリルオキシム【防除学習帖】第322回2025年11月1日 -
農薬の正しい使い方(56)細菌病の防除タイミング【今さら聞けない営農情報】第322回2025年11月1日 -
酪農危機の打破に挑む 酪農家存続なくして酪農協なし 【広島県酪農協レポート・1】2025年10月31日 -
国産飼料でコスト削減 TMRと耕畜連携で 【広島県酪農協レポート・2】2025年10月31日 -
【北海道酪肉近大詰め】440万トンも基盤維持に課題、道東で相次ぐ工場増設2025年10月31日 -
米の1等比率は77.0% 9月30日現在2025年10月31日 -
2025肥料年度春肥 高度化成は4.3%値上げ2025年10月31日 -
クマ対策で機動隊派遣 自治体への財政支援など政府に申し入れ 自民PT2025年10月31日 -
(459)断食:修行から管理とビジネスへ【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年10月31日 -
石川佳純が国産食材使用の手作り弁当を披露 ランチ会で全農職員と交流2025年10月31日 -
秋の果実王 旬の柿を堪能 福岡県産「太秋・富有柿フェア」開催 JA全農2025年10月31日 -
「和歌山県産みかんフェア」全農直営飲食店舗で開催 JA全農2025年10月31日 -
カゴメ、旭化成とコラボ「秋はスープで野菜をとろう!Xキャンペーン」実施 JA全農2025年10月31日 -
食べて知って東北応援「東北六県絆米セット」プレゼント JAタウン2025年10月31日 -
11月28、29日に農機フェアを開催 実演・特価品販売コーナーを新設 JAグループ岡山2025年10月31日 -
組合員・利用者に安心と満足の提供を 共済事務インストラクター全国交流集会を開催 JA共済連2025年10月31日 -
JA全農と共同開発 オリジナル製菓・製パン用米粉「笑みたわわ」新発売 富澤商店2025年10月31日 -
【スマート農業の風】(20)GAP管理や農家の出荷管理も絡めて活用2025年10月31日


































