生物農薬のさらなる普及めざし 「日本生物防除協議会」発足2016年7月14日
天敵や微生物などによる生物農薬のさらなる普及拡大をはかるために、日本バイオロジカルコントロール協議会と日本微生物防除剤協議会を発展的に解消して、新たに「日本生物防除協議会」を4月に設立したと、このほど公表した。
病害虫・雑草防除は、農業生産を支える欠くことのできない基盤技術の一つだが、気候の温暖化にともなう新規侵入害虫や病害による被害の拡大、薬剤耐性菌や抵抗性害虫の増加などの課題。さらに生産者からは、防除コストの低減や防除の省力化などの要望が高まっている。
そうしたことに応え、持続的な農業生産を支えるために、化学的な防除だけではなく、耕種的防除や物理的防除などさまざまな防除手段を効率的・効果的に組み合わせたIPM(総合的病害虫・雑草管理)技術は今後ますます重要となってくる。そのなかで「生物的な防除」は極めて重要な役割を果たすものだと期待されている。
天敵製剤、微生物殺虫剤・殺菌剤、フェロモン剤を用いた生物防除を普及拡大するために、1997年発足の「日本バイオロジカルコントロール協議会」と2006年設立の「日本微生物防除剤協議会」が活動をしてきたが、このほど両協議会が発展的に解消して、「日本生物防除協議会」(Japan BioControl Association、略称:JBCA)を設立した。
JBCAは、▽国内における生物防除の技術開発とその普及・啓発、▽内外の生物防除に関する情報収集・分析・紹介、▽会員相互の意見交換を通じた関連知識の向上と情報の共有化、を設立の目的としている。業界団体の統一は生物防除の普及促進にとって大事だが、両協議会が一つになることで、これまではそれぞれが別個の基準で提供していた情報、例えば「化学農薬への影響データ」などが統一され「共通の物差し」ができることが、生産現場にとっては喜ばしいことだといえる。
JBCAの構成は以下の通り
◎代表幹事:小林久哉アリスタ ライフサイエンス(株)代表取締役社長兼CEO
◎正会員(五十音順):アリスタ ライフサイエンス(株)、出光興産(株)、(株)エス・ディー・エス バイオテック、協友アグリ(株)、信越化学工業(株)、住友化学(株)、セントラル硝子(株)
◎アドバイザー:国見裕久東京農工大副学長、高橋賢司(一社)日本植物防疫協会技術顧問、矢野栄二近畿大農学部教授、西東力静岡大農学部教授
◎事務局:アリスタ ライフサイエンス(株)マーケティング部
【写真】
前列左から、西東教授、矢野教授、小林代表幹事、国見副学長、髙橋技術顧問(第1回総会終了後)
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