ミントの香りで益虫を誘引 害虫防除に応用へ2020年2月17日
ミントが放つ独特の香りが害虫の捕食性天敵であるタバコカスミカメを惹きつけることを、東京理科大学の研究グループが発見した。タバコカスミカメは、ミントの香りを予め経験することで、より強く惹き付けられることもわかった。今後は、ミントを用いた有機農法の技術革新や、環境保全型の有機農法への活用も期待される。
同グループは、ヨトウガ、アザミウマ、コナジラミ、ハダニなどの重要害虫の土着天敵であるタバコカスミカメに対して、ミントの香りが強く惹きつけることを発見。タバコカスミカメを効率的に害虫防除に活用するためのノウハウを見出した。
ミントでも異なる香気成分を放つキャンディミント、スペアミント、アップルミントの香りに対するタバコカスミカメの行動について選択実験を行なった結果、キャンディミントの香りはヨトウガ幼虫に食害されたナス葉から放出される匂いと同程度にタバコカスミカメを引き付けることがわかった。
さらに、キャンディミントの香りを予め経験したタバコカスミカメは、食害されたナス葉から放出される匂いよりも強くキャンディミントの香りに嗜好性を示すようになった。これは、キャンディミントの香りが、タバコカスミカメを誘引するだけでなく、食欲増進の効果も持ちあわせていることを示している。
タバコカスミカメのキャンディミントの香りに対する誘引行動
また、ミントは異なる天敵種であるタイリクヒメハナカメムシには誘引効果がないことから、特定の天敵種を惹きつけるコンパニオンプランツであることが示唆された。
キャンディミントの香りは、タバコカスミカメや、チリカブリダニなど益虫を惹きつけるだけでなく、ミントの近くの作物の防御力を高めることができる。
周辺にミントがある場合のタバコカスミカメのヨトウガ幼虫(餌)の捕食性
今後の展望として同研究室では、生物間コミュニケーションにおける複合的なアウトプットを人為的に用いることで、無農薬栽培や減農薬栽培など環境保全型の農業の実現につながるとしている。
ミントをコンパニオンプランツとして用いた有機農法の概要
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