生物農薬市場 有機食品に対する需要増 2030年まで堅調な成長予想2022年8月8日
グローバルインフォメーションは、市場調査レポート「生物農薬の世界市場 (2022-2030年):市場規模 (製品・用途・作物・形態・原料別)・地域的展望・COVID-19の影響・成長の潜在性・価格動向・市場を販売している。
同レポートでは、生物農薬市場は、世界中で有機食品に対する需要が急増していることから、2030年までに堅調な成長を遂げると予想。また、農業の発展や安全性への関心の高まりが、今後の市場成長に拍車をかけるとみられる。
新型コロナウイルスの流行は、厳格な閉鎖と安全プロトコルのため、世界のサプライチェーンと生産活動を混乱させた。さらに、消費者の購買力が低下したことで、世界中で製品の普及が妨げられたが、封鎖が緩和され、事業活動が再開されたことで、業界の成長が促進された。近年、生物農薬の分野で技術的な進歩があったことも、市場の進展を加速させた。
例えば、イランのケルマン医科大学生化学科が「Chemical and Biological Technologies in Agriculture」に発表した1月の研究では、従来の農薬からナノバイオ農薬へのシフトが検討された。この研究では、天然物質の欠点を考慮し、長期的な効果を持つ安定した生物農薬の開発や活性無機ナノ材料のグリーン合成のために、ナノテクノロジー手法が生物農薬に適用されている。
さらに、主要企業は、生物農薬市場で強力な地位を保持するために、製品イノベーション、技術統合、戦略的買収や合併に重点を置いてきた。一例として、3月にバイオベースの害虫管理会社であるMarrone Bio Innovationsは、作物生産性ソリューション会社であるBioceres Crop Solutions Corp.と戦略的合併契約を締結。両社は、Bioceresのバイオニュートリションに関する専門知識と種子ケア製品に、MBIの生物学的作物保護ソリューションのノウハウを組み合わせることを目指した。
他にも、4月に大手製薬会社のバイエルクロップサイエンスが、ウエストサクラメントの生物製剤研究開発施設を米国のバイオテクノロジー企業であるGinkgo Bioworkに譲渡する計画を発表。この買収により、Ginkgo BioworksはBayerの戦略的パートナーとなり、次世代の作物保護、窒素最適化、炭素隔離のための生物学的ソリューションの開発に取り組むことになった。
生物農薬市場は、作物、供給源、製品、形態、用途、地域別に分類。作物別に、市場は、果物および野菜と穀物および油糧種子に分類される。
果物および野菜セグメントは、さらにジャガイモ、ブドウ、リンゴに分類。りんごセグメントは、力強い成長を示すことが予測される。生物農薬は、植物の活力を高め、結実を増やし、必要とする水分量を満たすことでリンゴに有利に働き、その成長を強化する。
地域別に、ラテンアメリカ市場が大きく成長することが予想される。ラテンアメリカ地域では、農業における生物学的保護剤の製品普及を促進する政府の取り組みが行われている。
一方、中東・アフリカ市場は、2030年まで著しい成長を遂げると予想。エジプト、南アフリカ、サウジアラビアなどの国々で農業活動が急増しており、2030年までの同地域の産業発展を刺激することが予想される。
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