新型コロナで売上げ大幅に減少 3月度の外食産業市場2020年5月11日
(一社)日本フードサービス協会(JF)は、会員社を対象とした外食産業市場動向調査令和2年3月度の集計結果をまとめたが、東日本大震災の減少幅を上回る減少となった。
3月の外食産業は、新型コロナの影響を大きく受け、2月最終週の政府による大規模イベントなどの自粛要請以降、店内飲食の客数が繁華街立地、ディナー時間帯、土日祝日での減少が顕著で、居酒屋・ディナーレストランなど 飲酒業態を中心に、ファミリーレストラン、大型商業施設のフードコートなどの売り上げに大きな打撃となった。特に東京都から「週末の外出自粛」要請が出された3月下旬に一段と客足が落ち、3月の外食の全体売上は東日本大震災の減少幅(前年比89.7%)を上回る82.7%となった。
業態別の概況は以下の通り。
【ファーストフード】
引き続き、テイクアウト、宅配、ドライブスルーなど、「持ち帰り」需要が下支えしたが、商業施設のフードコートをはじめ 店内飲食の客数が振るわず、全体売上げは93.1%と前年を下回った。「洋風」「和風」「その他」は店内飲食の減少を、持ち帰りが下支えし、それぞれ売上は99.1%、92.8%、90.7%。「麺類」は、商業施設立地の落ち込みが大きく、売上81.4%。「持ち帰り米飯・回転寿司」は、弁当・惣菜、回転ずしのテイクアウトなどの持ち帰り部分の下支えがあったが、「回転寿司」の店内落ち込みが大きく売上げは88.3%となった。
【ファミリーレストラン】
全体売上げは78.8%と前年を大幅に下回った。「洋風」と「和風」は、月後半にかけて客数が一段と下がり、売上げはそれぞれ75.0%、69.6%。「中華」は、餃子などのテイクアウト・デリバリーが下支えとなり、売上げは90.4%。これまで好調を続けてきた「焼き肉」も 前年を下回り、売上げは93.3%と なった。
【パブ・居酒屋】
飲酒業態は、本来は送迎会シーズンの宴会需要が大きいはずだが、今年はキャンセルが相次いだ。郊外立地や地域密着店などでは 当初比較的下げ幅が小さい店も一部あったが、2月最終週の政府の自粛要請のよる落ち込みと、3月下旬の東京都の「週末の外出自粛」要請による2段階の落ち込みで、軒並み売上げは下がり、「パブ・ビアホール」は前年の半分にもとどかず売上げが46.5%、「居酒屋」は売上げ58.6%となった
【ディナーレストラン】
繁華街立地の店の一部では集客がほぼ無い日があるなど、休業や時間短縮を余儀なくされる店も増えて、売上げは59.5%となった。
【喫茶】
新型コロナの影響で、商業施設立地店の落ち込みが大きかったうえ、路面店でも客足が落ち、売上げは75.3%となった。
JFによれば、「政府が『緊急事態宣言』を発令した4月は、店舗の『休業』・『営業時間短縮』が相次いでおり、3月以上の落ち込みが予想される」とし、「居酒屋、ディナーレストランでは、本来4月は歓迎会など宴会需要が見込まれる時期であるが、休業等により、そもそも売り上げが立たず、売上高が前年比数%程度しか見込めないところもある」と分析している。
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