超高圧処理で生タマネギの辛味成分を低減 新製法を発表 キユーピー2021年9月9日
キユーピーは、惣菜を製造するグループ会社のデリア食品と進めている惣菜のおいしさ関する研究で、超高圧処理を応用し、生タマネギ特有の辛味を低減しながら生の食感を維持する方法を発見。「超高圧処理による生タマネギの辛味低減、及び最適な脱気条件による食感の維持」として日本食品工学会第22回(2021年度)年次大会で9月7日に発表した。
生タマネギには特有の辛味があるため、苦手な人が少なくない。この辛味は加熱すると消失するが、生食では水さらしにより低減させる手法が工業的にも一般的だが、辛味を十分に低減できないことや、多量の水を使うこと、有用な風味成分や栄養成分が流出することなどが課題だった。一方、超高圧処理を施すことで、辛味は低減できるが、生タマネギらしいシャキシャキとした食感は失われていた。同研究では、辛味を抑制しながら、生タマネギの食感が維持される加工方法をめざし、超高圧処理条件を検討した。
今回、超高圧処理の過程において、ある一定以上の空気を残すことで、シャキシャキとした好ましい食感を維持し、特有の辛味を軽減した、生食に適した状態を実現した。また、圧力の調節により、必要に応じて辛味を調整できることも分かった。生タマネギはポテトサラダやマリネなどの材料としてだけでなく、ドレッシングなどの原材料としても活用できる素材。今後同社は、この技術を幅広い商品に応用していく。
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