アグリゲノミクスの市場規模 2026年に53億米ドル到達予測2021年9月22日
株式会社グローバルインフォメーションは9月16日、市場調査レポート「アグリゲノミクスの世界市場 (~2026年):用途 (作物・家畜)・シーケンサータイプ (サンガーシーケンス・イルミナHiSeq・PacBio・SOLiDシーケンサー)・目的・地域別」(MarketsandMarkets)を発売した。
同レポートは、アグリゲノミクスの市場規模について、2021年の33億米ドルから年(CAGR)9.7%で成長し、2026年には53億米ドルに達すると予測。ゲノミクスソリューションを作物に活用することで、さまざまな病気への耐性、乾燥耐性、栄養強化、高品質を示す特定の作物品種の開発につながる。遺伝子編集は、作物の大量生産を妨げる形質を排除することで、目的の作物を持続的に大量生産する方法を提供。家畜生産におけるゲノミクスは、動物の遺伝的リスクの理解を深め、将来の収益性を高めるための対策を講じることにつながる。アニマルゲノミクスは、家畜生産者に戦略的な動物の選択と繁殖の決定を促し、家畜群の収益性と収量の向上を最適化する。
新型コロナが市場に与える影響
新型コロナウイルスは、医学的、社会的、経済的に深刻な問題をもたらした。医学界が診断や治療法の開発に注力している一方、農業・食品加工業界では、効率的な食料生産、物流・サプライチェーンの効率化、将来の需給ショックを吸収するためのバッファシステムの構築などに力を注いでいる。商品の生産者や供給者以外にも、種子メーカー、形質開発者、ゲノミクス研究者などが、新型コロナウイルスのパンデミック後のキャパシティビルディングのためのソリューションを提供することに注力。アグリゲノミクスは、遺伝子編集技術を利用して、数多くの抗細菌、抗真菌、抗ウイルスのソリューションを開発する方向に進んでいる。
牽引要因:最先端のゲノム解析ツールと技術
アグリゲノミクス市場は、超並列シーケンシング技術の導入や、細胞の挙動を分子レベルで効率的に解析するプロトコルの開発など、機能的なゲノミクス分野の急速な進歩が主な要因となっている。農業分野におけるゲノミクスの応用としては、分子マーカーを用いた作物育種が、従来の育種プログラムと比較して、作物選択の範囲、スピード、効率の向上という点で効果的であることがわかっている。また、高度なゲノム解析技術により、作物の品質と収量が向上すると同時に、必要な肥料、農薬、水の量が少なくて済むことがわかっている。家畜については、新しい技術により、乳量、肉質、生殖能力などの望ましい形質が大幅に改善されることが知られている。
抑制要因:最適化されていない学際的な研究アプローチと不十分なインフラサポート
アグリゲノミクス研究における自動化システムの導入は、人類遺伝学などの他の分野と異なり、予算上の制約から多くない。そのため、発展途上国の研究者は、自動化システムの利点を認識しているにもかかわらず、自動化システムよりも手動の方法を好む傾向にある。同様に、新興国の学術研究機関では、自動化システムへの投資が困難。そのため、高コストの自動化システムが普及しているのは先進国に限られており、アグリゲノミクス研究における自動化のさらなる市場成長の余地は限られている。
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