兼業農家になるための就農スクール「チバニアン兼業農学校」首都圏で60人が就農2023年11月21日
兼業農家になることに特化した就農スクール「チバニアン兼業農学校」を運営する株式会社おひさま総合研究所(千葉県千葉市)は、修了生60人が11月1日時点で、首都圏で就農したことを発表した。
就農スクール「チバニアン兼業農学校」の生徒
「チバニアン兼業農学校」は、兼業で農家になることを目的とした民間スクール。
就農の最大のハードルとなる農地取得、営農計画策定、新規就農者認定、書類作成などを実際の農政担当者や有識者が伴走しながら指導し、短期間で農業者になることを実践的に学ぶことができる。
また、兼業でありながら、収益を省力で上げるための6次産業化(ネット通販、ソーラーシェアリング、農泊、体験農業、農家レストラン、キャンプ場運営、省力栽培等)の講義も行われる。
同校のほ場がある千葉県睦沢町は、農業委員会、農政担当者、既就農者が講義に参加し、町の農地の斡旋や探し方、新規就農認定をサポートしているが、就農地域は睦沢町に限定されない。他地域で兼業就農を希望する生徒には、用地探索から農地取得までを指導し、実際に首都圏で就農をはじめている。
農作物の栽培技術に関しては、日本農業実践学園(茨城県水戸市)や千葉県内の農園と提携し、さまざまな作物の栽培方法をZOOMによる講義と現地実習で学べる。
兼業就農はリスクを伴うことなく、大きなリターンを得られる。代表的な例では、農家住宅の建設(市街化調整区域の農地に建てられる自宅)や、本業与信による融資、個人事業主化による節税など。また、戦争や温暖化で食品が高騰する中、食料自給にもつながる。
「チバニアン兼業農学校」の就農支援は、仕事を辞めずに就農するため、経済的リスクがないことが特長。また、技術指導や営農計画策定、農地取得や融資獲得など、これまで生徒の個人的努力にかかっていた部分をカリキュラム化し、実際の審査者が講師を務めることでポイントをわかりすく習得できる。実習は、通いやすいよう週末に実施。二拠点生活での参加も想定しているため、移住は必須要件とならない。
2023年は、「チバニアン兼業農学校」から4人の認定新規就農者が誕生。認定新規就農者は、新たに農業を始める人が作成する青年等就農計画を市町村が審査・認定し、その計画に沿って農業経営を営む農業者で、業界の常識からいうと兼業のままでの取得は快挙ともいえる。市町村から認定新規就農者と認められると、経営開始資金の交付や農業経営資金を無利子で借りられるなど、とくに資金面での大きな後押しとなる。主に専業農家が認定されていたが、今回兼業農家として認定されたことは、同校の生徒にとっても大きな励みとなっている。
実習の様子
千葉県芝山町との連携も開始
同校は2022年1月に開講来、1期生から5期生まで164人の生徒が学び、うち60人が就農を果たしている。現在は6期生が学んでおり、生徒は主に首都圏(千葉県、神奈川県、埼玉県、茨城県、東京都)に住み、仕事に従事している人がほとんど。職業も公務員、上場企業社員、広告代理店勤務、居酒屋経営、パイロット、自衛官、教員、看護師、公認会計士、行政書士、建築士、測量士、歯科医など多岐にわたる。
生徒の就農地は、睦沢町やその周辺をはじめ、首都圏の生徒の地元周辺が多い。2023年からは、睦沢町に次いで成田国際空港に隣接する千葉県芝山町とも連携し、10人以上の生徒が芝山町で就農する予定。また、10月からは、ZOOM授業と個別コンサルティングが受けられる「オンライン視聴コース」も再開し、地方に住む兼業就農希望者のサポートも始めている。
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