甘草(カンゾウ)の量産化に目途 三菱樹脂(株)2015年7月22日
三菱樹脂(株)は第16改正日本薬局方基準が定めたグリチルリチン酸含量2.5%以上を満たす医薬品原材料として使用可能な、国内での甘草の量産化に一定の目途がたったと発表した。
これは三菱樹脂(株)と(株)グリーンイノベーションの共同開発した技術によるもの。
これまで甘草などの薬草生産国では、野生品の乱獲により、薬用植物資源保護の観点から採取制限が実施される動きがあり、消費国においては薬草の安定確保が大きな課題となっていた。中でも漢方薬の約7割に使用される甘草はほとんどが野生品であり、またそのすべてを海外(主に中国)からの輸入に頼っていることから、国内での栽培が急務となっていた。しかし原産地との気候風土の違いや、栽培技術がいまだ確立されていないことから、国内での人口栽培は難しいと考えられてきた。
このようなことを踏まえて、両社は3つの目標を定め、開発を行った。
1、畑作に適した甘草苗の生産条件の確立
人工光閉鎖型苗生産設備での甘草苗生産最適条件の確立
2、畑作での甘草栽培技術の確立
全国各地での実証栽培を通じての栽培適地の見極めと、定植前作業、施肥条件、複数年にわたる栽培管理技術、収穫作業の機械化、収穫物の切断・乾燥技術などの確立
3、優良株の選抜と増殖技術の確立
実証栽培の中で選抜された優良株、病気に強い株などを、人工光閉鎖型苗生産設備の養正機能(人工的に高湿度を保たれた空間で、効率的な養生を行う機能)を活用して大量増殖させる方法や、増殖株による再選抜の繰り返し
6年に及ぶ試験栽培と全国各地(北海道から沖縄までの30数か所)での実証栽培の結果、上記の3項目の確立が実現。
実績として2014年秋の収穫物に関して第16改正日本薬局方基準を満たす、収穫物全体の平均含量でグリチルリチン酸含量2.8パーセントを達成し、医薬品原材料として国産甘草が利用できる可能性を示した。
今後、全国ベースで栽培拡大による量産化が期待されている。
(写真)人工光閉鎖型苗生産設備
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