農作物生産コントロールの共同実証実験の開始 NTT西日本×愛媛大学×青空2021年7月6日
NTT西日本グループは、愛媛大学、青空株式会社と共同で、廉価な汎用ドローンで撮影した空撮画像から高精度な分析ができる独自のほ場分析技術による、農作物生産コントロールの共同実証実験を開始。生産性向上と収益改善が課題となっている地域農業で、デジタル技術の活用により、ほ場内の農作物の生産品質・収量の安定化と、余剰生産による廃棄ロスを抑え、生産性の高い農業の実現をめざす。実証期間は、6月~2022年3月。
共同実証実験イメージ
国内農業は、少数の大規模農家が多くのほ場を管理し農作物生産を行う形へと構造変化が進んでいるが、大規模農家は、「いかに少ない労働力で効率的に広大な圃場を管理し、高品質な農作物の安定的な栽培を低コストで実現していくか」が重要な課題となっている。
例えば、複数のほ場からなる広大な耕作エリアを抱えると、エリアごとの条件差を踏まえたきめ細やかな栽培管理を行うことが難しくなる。その結果、エリアごとに生育状況のばらつきが生じ安定的な生産ができなくなる。また、生産のばらつきや天候不良の影響をふまえた上で、収穫量を確実に確保するには、恒常的に余剰生産を行う必要があり、大量の廃棄ロスが生じるという問題もある。こうした問題の解決には、定期的にほ場全体の生育状況を分析し、「生産の安定化」と「廃棄ロスの抑止」の実現が不可欠だが、高額な既存の分析手法に代わる、農家にとって安価な分析手法の確立が求められている。
共同実証実験では、愛媛大学が開発した低コストで導入可能な独自のほ場分析技術と、NTT西日本グループのドローン・ソリューションとクラウド基盤を活用し、ほ場における農作物の生育状況を分析する仕組みを構築。また、ほ場分析結果に基づいて適切に施肥を行うことで、生産量と生産品質の安定化に繋げる。
具体的には、まず、青空株式会社の岡山県真庭市にあるレタスほ場を廉価な汎用ドローンカメラにて空撮し、ほ場全体を撮影した俯瞰画像データからSPAD値を分析。ほ場のレタス葉の葉緑素の濃度を推定することでレタスの生育状況を可視化し、生育状況に基づいて必要箇所に必要な量を施肥(可変施肥)し、レタスの生育・品質のばらつきを抑制する。
また、分析された生育状況データと青空株式会社が培ってきた野菜栽培ノウハウを活用し、収益性に優れた営農手法の確立をめざす。具体的には、レタスの生育状況、天候データとこれまでの経験的な知見から収穫可能時期や収量を予測し、販売先の要求量に対する余剰量を早期に予測。これにより、余剰分の販売先を事前に確保し、廃棄せず収入源に転換していく仕組みを構築する。
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