特定外来生物「カワヒバリガイ」水の分析で高感度に検出 農研機構2021年8月20日
農研機構は、環境DNAを用いた特定外来生物「カワヒバリガイ」の高感度な検出手法を開発した。カワヒバリガイは水路や貯水池などに大量に発生し、通水障害や在来種の生態系に悪影響を及ぼすことが問題になっているが、侵入初期の段階は個体密度も低く、発見が困難だった。同成果は、カワヒバリガイの分布と被害の拡大に対し、早期の発見と素早い対策の実施に役立てられる。
水利施設に大量発生したカワヒバリガイ
カワヒバリガイは農業用の通水パイプを詰まらせるなど、水利施設の運用に被害をもたらす特定外来生物の二枚貝。国内では1992年に琵琶湖で初めて生息が報告され、その後、関東・東海・近畿の12都府県で生息が確認されている。近年、水路などを経由した分布拡大が報告され、早期の発見と素早い対策が求められている。
カワヒバリガイが貯水池などに侵入間もない段階では、カワヒバリガイの個体密度が低く、目視などの従来の調査ではその生息を見落とすことが問題となっていた。そこで今回、現地で採集した水サンプルに含まれるカワヒバリガイ由来のDNAを検知する調査手法
を開発し、その有効性を通常の調査手法と比較・検討した。
その結果、環境DNAを用いた調査手法は従来の目視調査や幼生の密度調査に比べてカワヒバリガイを検出する効率が高いことが示された。この調査手法は、現地では少量の水を採集するだけで済むため、調査に伴う労力も少なく、貯水池などの施設の運用にもほとんど影響を及ぼさない。そのため、これまで調査が行われなかった、未侵入や侵入の初期段階の地域でも活用が期待される。
水源に発生したカワヒバリガイの分布拡大(イメージ)
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