針葉樹の品種改良へ 世界初 スギのゲノム編集技術を開発 森林総合研究所2021年9月2日
森林総合研究所森林バイオ研究センターは、森林総合研究所、農研機構、横浜市立大学と共同で、CRISPR/Cas9システムをスギに最適化することで、世界で初めて針葉樹のゲノム編集に成功した。同研究成果は、国際科学雑誌「Scientific Reports」オンライン版(8月10日付)に掲載された。
緑色蛍光タンパク質(GFP)導入細胞のゲノム編集。赤破線で囲んだ部分はゲノム編集によりGFP遺伝子が改変し、蛍光を失った部分
林木の品種改良には交配と優良系統の選抜からなる地道な作業が必要で、世代の更新(次世代化)に10年単位の時間を要す。一方、人工DNA切断酵素を利用して、狙った遺伝子領域だけを特異的に改変する「ゲノム編集技術」は、育種期間を大幅に短縮する新技術として注目されてきたが、針葉樹での利用はこれまでに報告されていない。
共同研究では、主要林業樹種である針葉樹において、狙った遺伝子領域だけを特異的に改変するゲノム編集技術を世界で初めて開発。ゲノム編集の手法として、2020年度のノーベル化学賞に選ばれたCRISPR/Cas9 システムをスギへ適用した。
スギに導入した蛍光タンパク質遺伝子を標的としたゲノム編集を行い、蛍光の消失」を指標としてCRISPR/Cas9システムを最適化。スギの葉緑素合成に関わる内在遺伝子を標的にゲノム編集することで、「葉が白くなる」という期待通りの形質改変を起こすことに成功した。今後、ゲノム編集技術によるスギ等針葉樹の品種改良期間の大幅な短縮が期待される。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(164)-食料・農業・農村基本計画(6)-2025年10月18日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(81)【防除学習帖】第320回2025年10月18日
-
農薬の正しい使い方(54)【今さら聞けない営農情報】第320回2025年10月18日
-
【浅野純次・読書の楽しみ】第114回2025年10月18日
-
【注意報】カンキツ類に果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 高知県2025年10月17日
-
【国際協同組合年・特別座談会】いまなぜ二宮尊徳なのか 大日本報徳社鷲山社長×JAはだの宮永組合長×JAはが野猪野氏(1)2025年10月17日
-
【国際協同組合年・特別座談会】いまなぜ二宮尊徳なのか 大日本報徳社鷲山社長×JAはだの宮永組合長×JAはが野猪野氏(2)2025年10月17日
-
【国際協同組合年・特別座談会】いまなぜ二宮尊徳なのか 大日本報徳社鷲山社長×JAはだの宮永組合長×JAはが野猪野氏(3)2025年10月17日
-
25年度上期販売乳量 生産1.3%増も、受託戸数9500割れ2025年10月17日
-
(457)「人間は『入力する』葦か?」という教育現場からの問い【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年10月17日
-
みのりカフェ 元気市広島店「季節野菜のグリーンスムージー」特別価格で提供 JA全農2025年10月17日
-
JA全農主催「WCBF少年野球教室」群馬県太田市で25日に開催2025年10月17日
-
【地域を診る】統計調査はどこまで地域の姿を明らかにできるのか 国勢調査と農林業センサス 京都橘大学学長 岡田知弘氏2025年10月17日
-
岐阜の飛騨牛や柿・栗など「飛騨・美濃うまいもん広場」で販売 JAタウン2025年10月17日
-
JA佐渡と連携したツアー「おけさ柿 収穫体験プラン」発売 佐渡汽船2025年10月17日
-
「乃木坂46と国消国産を学ぼう!」 クイズキャンペーン開始 JAグループ2025年10月17日
-
大阪・関西万博からGREEN×EXPO 2027へバトンタッチ 「次の万博は、横浜で」 2027年国際園芸博覧会協会2025年10月17日
-
農薬出荷数量は0.5%増、農薬出荷金額は3.5%増 2025年農薬年度8月末出荷実績 クロップライフジャパン2025年10月17日
-
鳥取県で一緒に農業をしよう!「第3回とっとり農業人フェア」開催2025年10月17日
-
ふるさと納税でこどもたちに食・体験を届ける「こどもふるさと便」 IMPACT STARTUP SUMMIT 2025で紹介 ネッスー2025年10月17日