果樹カメムシ類 30都府県で注意報 飛来初期から防除を2024年5月24日
果樹カメムシ類の発生地域が増えており、農林水産省のまとめでは5月24日15時現在、30都府県で注意報が発令されている。農水省は園内の観察をきめ細かく行い、飛来が認められた場合は飛来初期から防除の実施を、と呼びかけている。

農林水産省が5月15日に発表した「病害虫発生予報第2号」などでは、果樹カメムシ類発生に対する注意報発令は愛媛県で3月発令されて以降、20府県で発令されていることが報告されたが、その後、石川県、大阪府、奈良県、滋賀県、東京都、岐阜県、広島県、三重県、群馬県、富山県で発令され、5月24日15時時点で計30件(30都府県)となった。
5月23日に発令した三重県では予察灯(松阪市の畑)の5月第4半旬のフェロモントラップによる誘殺数は平年116頭のチャバネアオカメムシが816頭、平年24頭のツヤアオカメムシが118頭確認された。気象庁の1か月予報(5月16日発表)では気温は高い見込みであり果樹カメムシ類の活動が活発になる可能性があると注意を促している。
三重県病害虫防除所によると、飛来数は園地による差が大きい傾向にあるため、夜間の照明などへの飛来を参考に園地を見回り、飛来を確認したら防除を行うよう呼びかけている。また、過去に飛来が多かった園地はとくに注意が必要だ。
同じく23日に発令した広島県世羅町では、フェロモントラップによるチャバネアオカメムシの誘殺数が5月16日から20日かけて急増し、過去10年平均の2.5倍となった。
また、昨年12月中旬から1月中旬にかけて県内33地点の里山から採取した落ち葉から越冬成虫数を調査したところ、過去10年平均の2.8倍となった。
果樹カメムシ類の加害は長期間に及ぶため、継続してほ場の観察に努め、防除実施後も園地への飛来が認められる場合は、追加の防除を行うよう呼びかけている。
また、有袋栽培では袋掛け作業を早めに行うことが求められるが、果実が成長して袋に密着すると袋の上からも吸汁されることがあるために注意が必要だという。
広島県農業技術課によると、果樹カメムシ類で注意報の発令は例年は6月中下旬で「このタイミングで出したことはこれまでにない」という。カメムシは山間部でスギやヒノキの豊富な球果を餌に繁殖を行うが、今年の冬は暖かく越冬する成虫が多かったのではないかと考えられている。さらに春も気温が高く餌を求めて飛来が早くなっているのではないかという。
山形県も5月23日に「果樹カメムシ類の飛来数が増加しています。園内を見回り防除を徹底してください!」との病害虫発生速報を出した。5月4半旬までのフェロモントラップでのチャバネアオカメムシの総誘殺数は寒河江市で平年1.8頭が5頭、鶴岡市では平年7.3頭が62頭と多くなっている。
ただ、果樹カメムシ類の発生は年によってばらつきが大きい。農水省のまとめによると、注意報発表回数は2023年13件、22年27件、21年6件、20年34件となっている。
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