「NARO生育・収量予測ツール」にトマト糖度制御機能を追加 農研機構2025年5月15日
農研機構は、環境や生育データから施設果菜の生育等をシミュレーションする「NARO生育・収量予測ツール①果菜類」に、トマト果実の糖度を予測・制御する機能を新たに追加。3月31日から提供しており、農業データ連携基盤「WAGRI1)」を介して提供する「NARO生育・収量予測ツール①果菜類」の契約者は、追加料金なしで利用できる
農研機構は、作物の安定生産と生産性の向上を目指して「NARO生育・収量予測ツール」を開発。APIとして農業データ連携基盤「WAGRI」を通じて提供している。このツールとして、これまでに①果菜類(対象:トマト、キュウリ、パプリカ)、②イチゴ、③露地野菜(対象:キャベツ、レタス、ブロッコリー、葉ネギ、ホウレンソウ、タマネギ)の計10品目について、品目ごとの収量予測APIを提供しており、環境データと葉面積などの生育データを基に収量を予測することができる。
このほど、この「NARO生育・収量予測ツール①果菜類」に搭載されているトマトの収量予測機能にトマトの美味しさを左右する糖度を制御するための新機能を追加。収量のシミュレーション機能に、糖度の予測と制御機能を追加することで、これまで収量減少リスクの回避のために高い技術と経験が必要だった高糖度トマトの生産でも、目標に合わせた糖度と収量の制御が、同時かつ容易に可能となる。
具体的には、植物工場等の施設栽培トマトにおいて、糖度の予測情報、目標品質(糖度と障害果発生率)を達成するために必要となる最適な環境制御の情報をAPIとして提供する(図1)。
図1:トマト品質制御機能の利用イメージ
同機能は、「WAGRI」の利用会員登録(1年間無料、その後有料)と「NARO生育・収量予測ツール①果菜類」のAPI利用の契約者(利用開始1年は試験利用・開発期間として無料)が利用可能で追加料金は不要。
ICTベンダーは、このAPIを活用することで、自社の栽培管理システムにトマト品質予測や制御機能を組み込むことができる。また、農業者や法人は、ICTベンダーが提供するシステムやサービスを利用することで、施設栽培トマトの糖度予測や制御を行い、生産量と品質の両方を向上させられ、収益の向上が期待できる。
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