AI収穫ロボットによる適用可能性を確認 北海道・JAきたそらちと実証実験 アグリスト2025年10月23日
農業課題をディープテックで解決するAGRISTは9月30日~10月3日にかけて4日間、北海道・北空知地域にあるJAきたそらち(深川市)が企画し、農業研修施設「あったかファーム」(鷹栖町)の協力を得て、AGRISTが開発したAI搭載のキュウリ自動収穫ロボットQの実証実験を実施。期間中、自治体や農業関係者など100人以上の現地視察を受け入れた。
「あったかファーム」で行われた実証実験を視察する参加者
同実証実験は、北海道農業が直面する深刻な労働力不足への対策として、先進的なロボット技術の地域内での適用可能性と実用性を検証するために行われた。
今回の試験では、鷹栖町で普及が進む養液栽培システムを用いた農業研修施設「あったかファーム」で、AI搭載のキュウリ自動収穫ロボット Qを導入。北海道エリアでの実用化を見据え、3つの検証を行った。
AI搭載のキュウリ自動収穫ロボットQの実証実験
まず、基盤となる収穫性能の検証では、ロボットの収穫スピードと精度と収穫後の作物品質への影響を詳細に評価した。次に、本州とは異なる北海道の栽培環境下での適応性を実証。北海道における降雪を意識した施設園芸ハウスの環境や栽培方法で、ロボットが安定して継続稼働できるかを確認した。さらに、新しい農業パッケージの検討は、鷹栖町で実績のある養液・つる下し栽培技術とロボット技術を統合し、労働力不足時代にふさわしい効率的な栽培体系を確立するための重要な一歩となる。
視察した関係者からは、「想像していた以上に収穫スピードがあり、精度も高い」「実用化に近づいている段階だと感じた」などの評価が寄せられた。ロボットによる安定した収穫作業は、キュウリ栽培における省力化・省人化への貢献が期待されている。
現地担当者でJAきたそらち 青果部事務所 青果部の宇野誠一部長は「今後青果物の供給を維持・継続していく上で、深刻な労働力不足は、生産維持すら困難な状況となりつつある。収穫ロボットの導入は、この課題を解決するための選択肢の一つだと考え、今回の実証を計画した。結果として、想像以上に高い収穫能力を確認でき、非常に期待が持てる。特に、葉や蔓を切らないよう細心の注意を払うエラー防止技術が施されており安心していられる能力には驚かされた。今後は、ロボットと養液・つる下し栽培を組み合わせた徹底的な省人省力化パッケージを作り上げることで、持続可能な新しい農業の形を提案していく」とコメントしている。
北海道では、人手に依存する収穫作業が大きな負担となっており、鷹栖町では、新規就農者の育成を目的として、時間と労力を要する土づくりをシステムで標準化する養液栽培の普及を積極的に進めている。これはロボットなどICT技術を導入しやすい栽培環境でもある。
今回の実証実験により、AI・ロボット技術が北海道の施設園芸における労働力不足解消の切り札となることが期待される。
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