野党は参院選で統一候補ブームを起こせ2016年5月23日
参議院選挙が2か月後に迫った。
勝敗に大きく影響する1人区は32あるが、先週末の時点でみると、野党は29の選挙区で統一候補を立てることを決めたようだ。マスコミは、全ての1人区で野党が統一候補を立てるめどが立った、と伝えている(昨日の「朝日」)。
政治の活性化のために歓迎したい。
これまで、1人区に野党候補が2人以上立候補し、共倒れになることが多かった。しかし、統一候補になれば共倒れはなくなり、野党の当選者が増える。
いったい、どれほど増えるか。

上の表は、過去3回の参院選の結果をみたものである。いまの1人区である34県、32選挙区で、非自・公の候補者がどれ程の得票を得たか、を割合で示した。
この表で、最も新しい2013年の選挙の投票結果をみると、非自・公、つまり野党候補者の得票率が合計して50%を超えた選挙区は10区だった。
この時に自・公の候補者に投票した有権者は、こんども自・公の候補者に投票し、非自・公の候補者に投票した有権者は、こんどは野党統一候補者に投票すると仮定すれば、どうなるか。野党の統一候補者の当選者は10人になる。残りの22人は自・公の当選者になる。
野党にとって、これでは不満足だろう。満足するには、統一候補を立てるだけではだめだ。それは、出発点にすぎない。野党ブームを起こさねばならない。1+1を3にも4にもしなければならない。
◇
同じようにして、2010年の選挙の得票結果で考えると、非自・公の当選者は19、自・公の当選者は13人になる。現在の与野党が逆転する。
それでも満足できないというなら、2007年のような場合を目ざすことになる。この場合は、非自・公が29人で、自・公がわずか3人になる。非自・公の圧勝になる。これは、現在の野党である非自・公にとって、夢に近い結果だろう。
だが、実現不可能な夢ではない。2007年のような野党ブームを起こせば実現する。
◇
ブームが起きるかどうか。それは、今後の野党の政治活動の如何にかかっている。その条件はそろっている。
与野党の間で対立している問題は、山ほどある。TPPの国会批准阻止、安保法の廃棄、来年4月の消費増税反対、原発問題、沖縄問題...。
これらの問題をとらえ、国民の広い支持を得れば、ブームは引き起こせる。それができれば、野党の圧勝は充分に可能だろう。
◇
農村部に多い1人区からは、TPP批准阻止などの反自・公の声が、そして都市部に多い複数区からは、安保法廃止などの反自・公の声が大きく響けば、比例区を含めて、野党の圧勝は間違いない。
その結果、1党多弱による澱んだ日本の政治を活性化できる。それを2か月後の参院選に期待したい。
(2016.05.23)
(前回 「攻めの農政」に黄信号)
(前々回 わが村は理想社会に最も近い)
(「正義派の農政論」に対するご意見・ご感想をお寄せください。コチラのお問い合わせフォームより、お願いいたします。)
重要な記事
最新の記事
-
飼料用米の支援 見直しを 財政制度等審議会が建議2025年12月3日 -
緑茶の輸出額 前年比2.3倍 農林水産物・食品の10月輸出実績2025年12月3日 -
JA貯金残高 108兆731億円 10月末 農林中金2025年12月3日 -
米の安定供給どう支える? 直接支払めぐり論戦 共助の「基金」提案も2025年12月3日 -
平和的国防産業の寿命【小松泰信・地方の眼力】2025年12月3日 -
【農と杜の独り言】第6回 野菜・あなたのお生まれは? 食の歴史知る機会に 千葉大学客員教授・賀来宏和氏2025年12月3日 -
童門氏の「恕」 混迷時こそ必要 "協同のリレー" JCA客員研究員・伊藤澄一氏2025年12月3日 -
【異業種から見た農業・地域の課題】担い手が将来展望を描けること 金融×人材×資源で強靭な地域に 一消費者の視点から 元大蔵省・藤塚明氏に聞く2025年12月3日 -
ご当地牛乳「リソルホテルズ」でウェルカムドリンクとして提供 JA全農2025年12月3日 -
毎年大人気!希少な岐阜の「堂上蜂屋柿」を販売開始 JAタウン2025年12月3日 -
稲作生産者の生産現場に密着 生産者ドキュメンタリー動画を公開 JA全農2025年12月3日 -
JAタウン「ホクレン」北海道醸造の日本酒10商品「送料負担なし」で販売中2025年12月3日 -
冬休みの牛乳消費拡大を応援「メイトー×ニッポンエール 冬のおいしいミルクコーヒー」発売 JA全農2025年12月3日 -
「佐賀県産うれしの茶フェア」5日から全農直営19店舗で開催 JA全農2025年12月3日 -
病院経営の改善に求められる課題は? 「医療の質と生産性向上」セミナー 日本文化厚生連2025年12月3日 -
安全性検査クリアの農業機械 1機種7型式を公表 農研機構2025年12月3日 -
【人事異動】日本製紙(2026年1月1日付)2025年12月3日 -
鶴岡共乾施設利用組合第1回総会開く JA鶴岡2025年12月3日 -
【役員人事】井関農機(12月1日付、12月31日付、1月1日付)2025年12月3日 -
鳥インフル 米国からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年12月3日


































