イモムシのふしぎ

- 著者
- 森 昭彦
- 発行所
- SBクリエイティブ(株)
- 発行日
- 2014年8月
- 定価
- 1200円+税
- 評者
- 小林綏枝 / 元秋田大学教授
『イモムシのふしぎ』。確かに。あのイモムシがサナギになり、最期に忽然と現れる優美なヤツ! サナギの間の無防備さ! ふしぎだらけ。
新書判より少し大きい見開き2ページ、左ページには各イモムシの解説、少し混じる文語体が心地よい。右ページにはその全身像、呼称、学名、所属科、体長、分布、幼虫の発生月、食性、最も特徴的な写真、最期に成虫。どれをとっても明瞭で美しい。
書きたいことは山ほどあるが、まず挙げたいのは蛹の「中身」。蛹にメスを入れると脂質がドロリとこぼれ出る。イモムシは蛹の中で溶けて数週間のうちに翅や複眼、触覚、ストロー状の口や生殖器を構築するのだという。これには驚いた。
世に立派で大きな図鑑は多いが本棚に入るとなかなか出てこない。しかしこれなら便利だ。成虫だけでなく各期の幼虫が分かる。つい嬉しくなって“我が家の庭にも何かいるのでは”と出てみた。早速、黒とオレンジのとげとげのヤツを見つけた。ドクガかツマグロヒョウモンか。どれとも違う。日本にはチョウ・ガ合わせて六千余種というからこの本には載っていないのかも…、待て、ツマグロヒョウモンの3齢幼虫だ。同じ幼虫でも微細な見分けが可能なのは確かな写真あってこそだ。満足して感謝。
こんな本を虫好きの小さい人たちに与えたい。どんなにか幼い日々が充実するだろう。もちろん虫好きな大人には至福の時を与えるはずだ。
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