【コラム・消費者の目】試される日本人の記憶力2015年10月1日
阿蘇山の噴火の様子がテレビのニュースで紹介されました。九州生まれの私にとって熊本の阿蘇山はとても身近な存在で、学生時代には友人たちとよく遊びに行ったものです。結婚してからは、阿蘇山から大分県のくじゅう連山を抜け、湯布院温泉を訪れるのが家族旅行の定番になっています。阿蘇のカルデラから外輪山を越える途中にある大観峰からの風景は、ここが日本であることを忘れるほど雄大です。アイルランド生まれの友人は阿蘇に来るたびに故郷を思い出すと言っていましたっけ。
ニュースになっているのは、カルデラの中にある阿蘇五岳の中の中岳で、平時も常に白い噴煙を上げていますが、時々思い出したように噴火します。
小学校の修学旅行で中岳に登った時、火口付近や登山道に設置されていた月面基地のような鉄筋コンクリート製の退避壕に驚きました。退避壕は突然の噴火による噴石の被害から身を守るための避難所です。案内してくれたバスガイドさんが、昭和28年の噴火による噴石で多くの死傷者が出たため、安全対策として作られたのだと説明してくれました。
◇ ◇
日本という国に住んでいる以上、我々は火山の噴火などの自然災害の脅威に常にさらされています。ひとたび自然が暴れだすと甚大な被害をもたらしますが、そのおかげで豊かな土地や海が育まれていることも忘れてはなりません。自然は、私たちが自然への恐れと感謝を忘れかけたころ、見透かしたように牙を剥いてくるようです。
災害を未然に防ぐヒントは歴史の中にあります。過去の教訓を未来へ語り継げるかどうか、日本人の民族としての記憶力が試されているような気がしてなりません。
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