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希望の党に問う格差問題と平和主義2017年10月10日

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【森島 賢】

 総選挙の立候補が今日中に締め切られる。明日以後、事実上の立候補の取り下げが行われるかもしれないが、これで候補者が全て出揃う。
 多くのマスコミは、自民・公明と希望・維新と立憲・共産・社民の3極の争いだという。しかし、そうではない。農業者や労働者や中小企業主などの経済的弱者のための党と、財界に巣食う経済的強者のための党との2極の争いである。それは格差を否定するか、助長するか、という争いである。3極にみえるのは、強者の党が2つに割れているからである。
 この2極の争いは、強者の市場原理主義か弱者の協同組合主義か、という争いである。
 希望党の小池百合子代表は、「しがらみ」を全否定している。「しがらみ」のなかには「きずな」もある。「きずな」は、弱者の協同組合の命綱である。それを小池代表は否定し、弱者を砂粒のように徹底的に分断して競争させようとしている。
 弱者と強者との争いは、平和主義か軍国主義か、という争いに基づく現行の安保法制の賛否と重なっている。そして、この争いは対米従属か自主自立か、という争いにも重なっている。そうして、弱者と強者の格差問題を隠し、安保問題を総選挙の主要な争いに仕立て上げようとしている。

 多くのマスコミが3極を強調するのは、2極にして、強者の側の安倍晋三政権の衰退に対し、弱者の側の3野党を対立させて、3野党に政権を交代することを妨害したいからである。そうして、3極にして安倍政権への批判票を3野党と希望党に分散させることで、3野党への政権交代を阻止したいからである。
 そうして、安倍政権が瓦解しても、安倍政権と同じ強者の側に立って、市場原理主義政治を行い、格差を助長しようとする希望・維新を、安倍政権の後継に仕立て上げたい、という意図が透けてみえる。強者は、希望・維新のほうが、安倍政権よりも激しい市場原理主義政治を行うことを、期待しているかもしれない。

 だから、多くのマスコミは弱者の党の衰退を強調して、総選挙での敗退を期待している。しかし、そうはならないだろう。強者の党が自民・公明と希望・維新の2つに分裂したいまこそ、弱者の党の3野党にとって好機なのである。
 弱者の党の民進党も分裂したではないか、といわれるかもしれない。しかし、弱者の党の政治家が、急に強者の党の政治家に変わるはずがない。弱者の党にように振舞っていた希望党が、急に強者の党に変わったのである。だから、そのように見える。
 希望党は、いまは強者の党であることを、あらわにして憚らない。しかし、希望党から公認された候補のなかには、弱者のための政治家が多い。彼らは、騙されたのである。彼らは、やがて初心にかえって、弱者の政治を目指すに違いない。

前民進党議員の小選挙区での党派別立候補状況

 上の表は、民進党の前議員が、小選挙区で、どの会派から公認されて立候補したか、また、無所属で立候補したか、を示したものである。
 民進党の後継党である立憲党は、15人で少ないようだが、そうではない。
 無所属の22人のなかには、希望党との「合流」そのものに反対した人が多い。しかし、民進党は1人も公認しないと党議で決めたことだし、そうかといって、希望党に頭を下げて公認してくれ、ともいえなくて、無所属で立候補した人が多い。だから、この人たちは、やがて弱者の党の立憲党に復帰するだろう。

 希望党から公認された50人の人たちは、無条件の「合流」と思っていた人たちである。彼らは、小池百合子代表と前原誠司代表に騙されたのである。そうして、「現行の...安全保障政策を支持する。」という政策協定書を受け入れる、という条件を飲まされた人たちである。
 このように、希望党は民進党との「合流」どころか、民進党の前議員に対して、公認のための踏み絵をふませた。つまり、前日まで自公の安保政策に反対していた人たちに対して、賛成することを誓わせた。しかも、考える時間も充分に与えず、数時間後に署名せよ、と迫ったようだ。このうちの多くの人たちは、とりあえず、そして止むを得ずに署名したに違いない。
 安保政策は、平和主義を是とするか、否とするかという政治家の政治信念の基本に位置するものである。政治家を志した初心でもあるだろう。それを希望党は、一夜のうちに踏みにじったのである。恨みは大きく深いだろう。
 この人たちの多くは、やがて初心にかえり、安保法制に反対する立憲党に戻るだろう。

 このような状況だから、総選挙後の立憲党の勢力は、決して小さくならないだろう。立憲党に変わる前民進党議員は、希望党に変わる前民進党議員よりも多くなるだろう。そうして、彼らは3野党の協力で政権交代を果たすに違いない。
 3野党が協力すれば、その可能性は大きい。

 安保政策について、もう少し考えよう。
 安保問題は、憲法の平和主義にかかわる重要問題である。それに加えて、今度の衆議院解散の大義は、これまでの安倍内閣の、北朝鮮にかかわる安保政策に対して、国民の審判を仰ぐものだという。
 その内容は、北朝鮮との話し合いではなく、北朝鮮への圧力、である。しかも圧力は、経済的圧力だけでなく、軍事的圧力を想定している。そして、いまや安倍政権は、日米韓の尖兵になろうとしている。
 しかし、韓国は同じ民族どうしの北朝鮮と軍事衝突は避けたいだろう。米国も本土から遥かに遠い極東での国民の流血の衝突は避けたいだろう。そうしたなかで、独りでいきり立っているのが日本である。
 また、圧力をかけて北朝鮮を話合いの場へ引き出すというが、関東大震災のときの朝鮮人の大虐殺や、戦時中の朝鮮人に対する日本での強制労働や、南京大虐殺などの歴史的事実を認めないような、安倍首相や小池代表の圧力で、北朝鮮が話合いの場に出てくるとは、とうてい考えられない。中国が同調するとも思えない。
 このような状況のもとで、安倍政権はこうした安保政策について、国民に信を問うている。そうして、希望党の小池代表は、安倍政権のこの安保政策を支持している。
 それに対して、99%の弱者の側に立つ3野党は反対している。この安保問題が、格差問題と並んで、こんどの総選挙の主要な争点になっている。
 これらに森友・加計問題などが加わり、安倍首相と小池代表の危険で好戦的な独裁者ぶりを際立たせて、総選挙に、どぎつい程に華やかな色を添えている。
(2017.10.10)

(前回 希望党の第1次公認候補者名簿

(前々回 弱者の党は無くならない

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