価値観の変化が不可欠 東京都・世田谷生活者ネットワーク 区議会議員 田中 みち子さん 【わたし発 今 女性が生きる意義と役割】2022年2月2日
「一人は万人のため…」共通の目的のために組合員が結集した協同組合。農協や全国連、研究組織など多彩な活動があるが、その中で女性の存在は欠かせないものになっている。それぞれの分野で活躍している人から寄稿してもらった。
東京都・世田谷
生活者ネットワーク
区議会議員 田中 みち子さん
私は東京都世田谷区で、地域政党、生活者・ネットワークの区議会議員として、地域の方々の声を区政にお届けすることを心掛けています。
同時に、さまざまな活動に参加し、子どもや女性に顕著にみられる苦しい現状などに心を痛めています。
地域活動の一つとして、5年前からこども食堂の活動を進めています。国立の成育医療センターがある地域なので障がいのあるお子さんを在宅で看護しているご家庭が比較的多いのですが、顔の見える関係性は希薄でした。そこで、障がいのあるお子さんのあるお母さんたちにもお声をかけ「地域のつながりを作り、互いに助け合おう」という趣旨でスタート。
乳児から一人暮らしの高齢者にもご参加いただき楽しい居場所となっていましたが、昨年3月から新型コロナウィルス感染症拡大の影響で会食は中止せざるを得ない事態となりました。困難な時こそ必要なコミュニケーションを絶やさないために、パックご飯とレトルトカレーなどを配布する活動に切り替え継続してきたところ、世田谷の住宅地で食に困っているご家庭が見えてきました。
時には、企業や個人からのご寄付を頂き、子どもが喜びそうなパンやお菓子を用意したり、JA、農家さんからのお野菜に目が輝く子どもとママたちを見てきました。外国籍の親を持つ子どものなかでも親が地域から孤立している場合には、子どもも地域になじみにくく、一つ一つの事例に胸が痛みます。
日本の社会では、一人親=シングルマザーの場合がほとんどです。子育てをしながらパートなどで働いてきた場合、コロナで受けたダメージは大きいのに、その方々は「困っている」となかなか言えません。「子ども食堂からです」と取りに来られなかった方に、食材をお届けに行くと、「ありがとう」と同時に「お困りごと」を聞くことがあります。
日本では子どもの貧困は7人に1人、さらにひとり親家庭の50%以上が貧困と言われています。その根幹には、日本社会の「男性中心の経済構造」だということが、ジェンダーの視点から明らかにされてきました。子育て介護は女性の仕事、子育てが一段落したら、パートやアルバイトで働き、家計補助をするという考え方は根深く、その解決には社会全体の価値観の変化が必要です。
私は、世田谷区議会という女性議員比率が30%以上という日本では珍しい議会に席を置いています。格差や貧困の問題、女性への差別解消、性教育、障がい者の支援、学習支援や介護の社会化などは、主要な課題ではなく、力不足を感じています。すべての尊厳が守られ自分らしく生きられる社会の実現をめざして、活動を広げていきたいと願っています。
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