24年産米2.6万円に 有利販売に努め積み上げ JA茨城、異例の公表2025年6月30日
茨城県では当初、玄米60kg当たり1万8000円だったJA概算金が2回の追加払いを経て、最終精算見込み2万6600円で着地する見込みとなった。25年産米の価格や契約方式に関心が集まったことを受け、JAグループ茨城が公表した。JA茨城県中央会の八木岡努会長は「有利販売に努め、全国でもトップレベルの額になった」と語った。
茨城県域での2024年産米委託販売の最終精算見通しを説明する八木岡努JA茨城県中央会会長=中央
(6月27日、水戸市内)
委託販売と買取販売
農家が生産した米をJA、全農が販売する方法には大別して2つある。1つが委託販売(概算金+精算)で、もう1つが買取販売である。全農の取り扱いでは、3~4割が買取販売で残りが委託販売となっている。
委託販売では、JAが農家から販売を委託された米を預かり、多くの場合は全農に委託しほぼ1年かけて販売する。米を預かった時点で、まず概算金(仮払金)を農家に払い、売り切った後、保管・販売経費を引いて収益が残れば公平に分配する(追加払い)。一方、買取販売では、米の所有権がJAや集荷業者に移るため、その後米価が上がって予想より高く売れても農家には還元されない。
24年産米集荷 競争過熱、「勝負にならない」の声
2024年産米で全農いばらきは、県内のJAにコシヒカリ1等60kg 1万8000円(前年の当初概算金+5300円)の概算金を示した。資材や燃料が上がるなか、再生産可能な額を設定した。このJA概算金は、全農が集荷の際にJAに払う概算金の額で、それを受けて各JAは、生産者に生産者概算金を示した。

24年6月末の民間在庫が156万tと適正水準(180万~200万t)を大きく割り込んだことを背景に、需給が引き締まり集荷競争が過熱。「これ(1.8万円)では商系と勝負にならない」という声も出るなか、9月11日、+5000円の追加払いを決めた(計2万3000円に)。その後、集荷相場がじりじり上がったことから、12月12日、+1500円の2回目の追加払いを決めた(計2万4500円に)。
急いだ最終精算、小売価格では3500円水準
商系業者との集荷競争は苦戦したが、それでも多くの農家がJAに出荷し、25年に入ってからも有利販売に注力。すべての米に買い手がついたことから最終精算を急ぎ、最終精算見込が2万6600円となった。これは全農がJAに払う額の合計だ。各JAが手数料を引くため、農家にわたるのは2万6000円ほどで、スーパー等での精米5kgの価格にすると3500円前後になるという。
「買取への転換」迫る小泉農相へのレスポンス
JAグループが概算金、追加払いの経緯に加え最終精算見込額までマスコミに公表するのは極めて異例だ。背景には、小泉農相が「概算金から買取販売への転換」を迫ったことがある。小泉農相との面談にも同席した八木岡会長は「委託販売、買取販売、いろいろな買い方がある。茨城では安定供給に向け、60kg当たり2万円での5年契約も提案している。生産者手取りが最大になるよう、選べるようにしたい」と語った。
需給緩むが、農家手取り2万円割らぬよう努力
農水省の農産物生産費統計によると2023年産の60kg当たり生産費は平均で1万5944円だった。八木岡会長は「生産費は上がる傾向にある。備蓄米放出で需給が緩むなど米価の見通しは難しいが、農家に渡る額が最低でも60kg当たり2万円を割らないよう力を尽くしたい」と述べた。
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