AI技術導入の窓口【原田 康・目明き千人】2022年10月29日
AIを活用する技術が実用化されている。農業の分野でも普及が進んでおり、これの活用は農家にも次のようなメリットがある。
コメ、野菜、果実等の収穫は年に1~2回であるがAIの活用でいわゆる篤農家の技術の10年分を1年で習得することが出来る。土地や気候、栽培する作物が同じような地区の全国のデータを集めて動画にして見えるようにすることで篤農家と同じになれる。
例えば、稲作を例に取れば、荒起こし、田植え、生育時、稲刈り前と年間を通して田んぼの水を入れたり出したりと水の管理が農家には大きな負担となっている。これをAIで生育状況、気象等のデータを集め、給水と排水を自動で行う調整バルブと連動をさせてすべての作業の自動化が出来る。
ドローンによる田畑の管理。ドローンを使い上空から田畑を撮影してデータを集めて一枚毎のほ場の生育状況、病虫害を分析して必要な場所だけに適時に肥料や農薬の散布を自動で行うことが出来る。
ハウス栽培では作物の生育状態、天気をデータ化してハウス内の温度、湿度などに合わせて窓の開け閉めなどの換気を自動で行う。生育の管理、収穫もロボットで出来る。
畜産では家畜にワッペンをつけて個体毎のデータを見ることが出来る。畜舎内での運動や、肥育の状態、受精の時期、乳牛の搾乳も自動で出来る装置もある。
農家にとっての課題はAIの技術を活用するためのトラクターの自動化やロボット、各種の装置の導入、維持管理の費用、データを集めるコストが高額となり、AI技術を使う費用対効果の計算が難しいことである。トラクターの自動化、ロボット、各種の装置などをたくさんのメーカーが作っており、これらの性能の比較を研究所、大学が行っている。更に、AIの技術を使いこなすにはトレーニングも必要である。AIの技術の進歩も早く、その地域の農業、農家がどれを使えばよいかを判断をすることは農家や小規模の法人経営では無理である。
これらの課題への対応策は農協が事務局となることで解決できる。地域の土地、気候、作物、村落の実態等、個別の農家や小規模の法人経営の実態に合ったAIの技術の導入、研修、費用対効果等を農協が事務局の仕事を担当する。 農協の出番である。
(原田 康)
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(173)食料・農業・農村基本計画(15)目標等の設定の考え方2025年12月20日 -
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(90)クロロニトリル【防除学習帖】第329回2025年12月20日 -
農薬の正しい使い方(63)除草剤の生理的選択性【今さら聞けない営農情報】第329回2025年12月20日 -
スーパーの米価 前週から10円上がり5kg4331円に 2週ぶりに価格上昇2025年12月19日 -
ナガエツルノゲイトウ防除、ドローンで鳥獣害対策 2025年農業技術10大ニュース(トピック1~5) 農水省2025年12月19日 -
ぶどう新品種「サニーハート」、海水から肥料原料を確保 2025年農業技術10大ニュース(トピック6~10) 農水省2025年12月19日 -
埼玉県幸手市とJA埼玉みずほ、JA全農が地域農業振興で協定締結2025年12月19日 -
国内最大級の園芸施設を設置 埼玉・幸手市で新規就農研修 全農2025年12月19日 -
【浜矩子が斬る! 日本経済】「経済関係に戦略性を持ち込むことなかれ」2025年12月19日 -
【農協時論】感性豊かに―知識プラス知恵 農的生活復権を 大日本報徳社社長 鷲山恭彦氏2025年12月19日 -
(466)なぜ多くのローカル・フードはローカリティ止まりなのか?【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年12月19日 -
福岡県産ブランドキウイフルーツ「博多甘熟娘」フェア 19日から開催 JA全農2025年12月19日 -
α世代の半数以上が農業を体験 農業は「社会の役に立つ」 JA共済連が調査結果公表2025年12月19日 -
「農・食の魅力を伝える」JAインスタコンテスト グランプリは、JAなごやとJA帯広大正2025年12月19日 -
農薬出荷数量は0.6%増、農薬出荷金額は5.5%増 2025年農薬年度出荷実績 クロップライフジャパン2025年12月19日 -
国内最多収品種「北陸193号」の収量性をさらに高めた次世代イネ系統を開発 国際農研2025年12月19日 -
酪農副産物の新たな可能性を探る「蒜山地域酪農拠点再構築コンソーシアム」設立2025年12月19日 -
有機農業セミナー第3弾「いま注目の菌根菌とその仲間たち」開催 農文協2025年12月19日 -
東京の多彩な食の魅力発信 東京都公式サイト「GO TOKYO Gourmet」公開2025年12月19日 -
岩手県滝沢市に「マルチハイブリッドシステム」世界で初めて導入 やまびこ2025年12月19日


































