【スマート農業の風】(6)Z-GIS活用事例からGAPを考える2024年7月30日
近年、GAP(Good Agricultural Practice)への注目度が高まっている。農水省はGAPを「農業において、食品安全、環境保全、労働安全等の持続可能性を確保するための生産工程管理の取り組み」と定義しており、GAPを行うことで生産管理の向上、効率性の向上、農業者自身や従業員の経営意識の向上につながるとしている。

また、GAPが正しく行われていることを第三者機関が審査・証明する「GAP認証」を取得することで、農家にとっての利点(販路拡大時に取引先に選択されやすくなるメリット)や、取引先にとっての利点(安心して農家の生産物を使用できる、顧客に安全性を説明しやすいなどのメリット)が生まれる。
JAグループは、安全・安心な農産物の生産、環境負荷の軽減に配慮した適正な農業生産の実現にむけて、GAPの実践支援に取り組んでいる。GAPには、簡易的な指標はあるものの生産者自身が考え工夫していくことが必要で、いろいろな項目を整理し管理しなければならない。また、GAPの認証審査では、多くの書類を審査員の求めに応じて的確に提示しなければならない。JAグループでは、そうしたGAP取得に関す課題を解決するために、Z-GISを利用したGAPの取り組みを進めている。
一般に、GAP対応と表示される営農管理ソフトは、「地図を表記してリスク分析ができる」「農薬・肥料の使用記録が自動作成できる」など、日々のGAP管理の一部に使えるものだ。このような機能はもちろん大事だが、GAP管理では、リスク評価や規定・規約の管理も重要となる。これらを、認証審査の際、審査員の求めに応じて、フォルダから書類を出して掲示するには、これらの営農管理ソフトだけでは不十分な場合がある。
今回紹介するZ-GISを利用したGAPの取り組みは、アプローチが少しだけ違い、リスクの見える化とGAP普及の拠点となるために、令和2年3月にJGAP認証を取得したJAグループのとある施設の事例だ。令和3年3月のGAP取得1年目の維持審査で、新たにZ-GISを導入し、審査に合格した。GAPでZ-GISを利用するこの取り組みは全国で初となる。Z-GISを使うことで、GAP管理の合理化・標準化を進めることができた。
GAPは、生産に使用するすべてのほ場や施設を明確にすることからはじまる。ほ場や施設のリスク評価を行い、その管理手順をマニュアル化し、記録を残すといった作業が必要となる。Z-GISは、起点となるほ場や施設情報を地図上に表記して、総合的に管理できるため、GAP管理に適したシステムだ。GAPでは、第三者が客観的に作業内容を確認・把握できることが重要で、Z-GISのさまざまな機能(色分けや補助図形、写真格納など)で、作業やリスクの見える化を行い、保管・表示することで、農場と現場管理の状況を第三者が把握できるようになった。
また、ハイパーリンク機能を活用し、Z-GISから資料格納フォルダにアクセスできるようにしたため、膨大な数のマニュアルや帳票類を体系的に管理することが可能になった。審査員の求めに応じ、リスク評価や規定・規約の管理フォルダ、農薬管理簿などを直接、パソコンのディスプレイ上で表示・確認し、審査を受けることができた。これにより、紙書類の印刷・作成が不要となり、これまでの書類とデータの二重管理から解放された。また、審査員も審査時の確認がしやすいと評価している。これらは、Z-GISによるGAPの審査を見据えたデータ管理方法と言える。
このほかにも、Z-GISの写真格納機能を利用し、整理・整頓した現場を撮影保管することで、パソコン上で格納状態や格納場所の写真や、掲示物の写真などの現場状況を確認・表示できる。また、自身でも管理の再確認ができ、第三者(審査員)が写真を見て視覚的に把握できるため、審査をスムーズに受けることができる。
Z-GISを活用したGAP管理は、個人で取得するGAP認証や、GAPの団体認証など、さまざまな場面でも活用できる。
この取り組みは、JAグループで使用するGAPの管理様式を共通化し、Z-GISクラウド上で管理することでJA指導の効率化を進めている。
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