シンとんぼ(154)-改正食料・農業・農村基本法(40)-2025年8月9日
シンとんぼには農業の持続的発展と食料の安定供給への切なる思いがあり、この思いが一日でも早く実現されることを願いながら、今後の農業を占う様々な事項について持論を展開している。現在、2024年6月に改正された食料・農業・農村基本法をしっかりと学び、同法を理解した上で農業関係者が何をしなければならないのか思案を巡らせている。実際の具体的な内容については先日(4月11日)に閣議決定された「食料・農業・農村基本計画」をもとに詳細を検討することになると思うが、まずは改正法全体の理解を深める方が先決と考え、現在も条文の内容把握をすすめている。今回は第四十七条である。
第四十七条は旧法の第三十五条であり、中山間地域等の振興をテーマにしている。その内容は、「国は、山間地及びその周辺の地域その他の地勢等の地理的条件が悪く、農業の生産条件が不利な地域(以下「中山間地域等」という。)において、その地域の特性に応じて、新規の作物の導入、地域特産物の生産及び販売等を通じた農業その他の産業の振興による就業機会の増大、生活環境の整備による定住の促進、地域社会の維持に資する生活の利便性の確保その他必要な施策を講ずるものとする。」となっており、旧法の内容に、地域社会の維持に資する生活の利便性の確保が追加されている。農地の大半が中山間地である日本農業にとって、中山間地域の農業を振興し安定させるためにこの条文は大変重要なものであり、実現してほしい内容が並んでいる。問題はそれをどうやって実現するのか、どれだけ新しい基本計画で具体化し、実効のある施策が用意されるかである。美辞麗句を並べただけの条文にならないことを期待したい。
新法第2項は旧法のままであり、その内容は「国は、中山間地域等においては、適切な農業生産活動が継続的に行われるよう農業の生産条件に関する不利を補正するための支援を行うこと等により、多面的機能の確保を特に図るための施策を講ずるものとする。」となっている。これも理想的なことが書かれているが、どうやって実現するかが問題である。過去の例からすると、うまくいった事例を先進事例として紹介するに止まり、面的な拡がりを感じることは少なかった。新法ではそうはならないことを期待したいものだが...と思ってしまうのはシンとんぼだけだろうか?
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