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ミサイルは兵糧攻めに有効か【小松泰信・地方の眼力】2025年9月3日

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前回取り上げた、松本空港事件の続報。信濃毎日新聞(8月31日付)の社説によれば、「5カ月がすぎた今も、米軍側から県には何の説明もない」とのこと。

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松本空港事件は終わっていない

 同社説は、「7月には秋田県、岩手県それぞれの県営空港でも米軍オスプレイの『緊急着陸』が相次いだ。同様に、その後の説明はない」と続き、「こう頻繁に緊急着陸する機体が飛び交って、安全は保てるのか」と不安を隠さない。 
 そして、「飛来の目的や不具合の中身も分からないのでは、緊急着陸だという説明にも疑問符がつく」とする。
 まったく同感。当コラム、米軍機に関する「緊急着陸」や「予防着陸」については、それ自体を信じてはいない。日本の空港の下見であり、着陸訓練であり、当該自治体の対応観察であり、その他関連情報の収集を目的とするものとにらんでいる。絶対に信じてはいけない。外務省も米軍米国とグル。もちろん地元住民への配慮はない。 
 社説子は、全国知事会長に就く阿部守一長野県知事が、地位協定の見直しを求めていく意向を持っていることを紹介し、「実現には世論の後押しが要る」とする。その世論を形成するために、「(長野県において)頻発する米軍機の低空飛行問題も含め、県が直面している協定の厚い壁について、より積極的に情報発信し、県民と広く共有するところから始めたい」と決意表明。

具体化する反撃能力の「保有」

 毎日新聞(8月30日付)の1面には、「熊本に長射程ミサイル 今年度末 『反撃能力』順次各地に」の見出し。
 防衛省は29日、有事の際のいわゆる「反撃能力」(敵基地攻撃能力)となる長射程ミサイルを2027年度までに、各地の陸海空自衛隊に順次配備していく計画を発表。第一線部隊での最初の配備先は陸上自衛隊健軍駐屯地(熊本市)で、25年度末に配備を開始とのこと。同駐屯地に配備されるのは、地上発射型の国産ミサイル「12式地対艦誘導弾」を改良した「能力向上型」と呼ばれるもので、射程が約1000キロ。中国東部沿岸や北朝鮮のほぼ全域を射程に収める。
 反撃能力については、22年改定の安保3文書に「保有」が明記された。ただ、「専守防衛に基づく戦後の安保理念が形骸化し、行使を誤れば『先制攻撃』とみなされるといった懸念があり、長射程ミサイルが敵の標的となる恐れもある」ことも伝えている。

基地ある限り住民の不安は続く

 「他国を直接攻撃できるミサイルのため、地元では逆に攻撃目標にならないかと懸念されている。政府は住民感情を軽視してはならない」と警告するのは、西日本新聞(9月1日付)の社説。
 日本が反撃能力を持つことに関しては、前述の安全保障関連3文書に明記されたとは言え、「反撃能力を巡る議論が国会で深まったとは言えない。疑念は残ったままだ」とする。まして、「行使するタイミングを誤ると、国際法違反の先制攻撃になりかねない」ことに加えて、「専守防衛に反する恐れがある」。にもかかわらず、「歯止めをかける方策が明確にならないまま、長射程ミサイルの配備が既成事実化されることを強く危惧する」と正論で迫る。
 石破首相は、九州・沖縄の防衛力を強化する「南西シフト」が着々と進められていることに関し、2月の国会で「抑止力を向上させ、わが国に対する武力攻撃そのものの可能性を低下させることにつながる」と述べた。これに対して、「こうした一般的な抑止論だけで、基地や駐屯地の周辺で暮らす住民が安心するだろうか。疑問でならない」として、「不安を抱く住民にも誠実に向き合うべきだ」と訴えている。
 
見直すべき防衛費増額計画

 北海道の陸上自衛隊上富良野駐屯地にも、長射程ミサイル「スタンド・オフ・ミサイル」が26年度に配備予定。 
 北海道新聞(8月30日付)の社説は、「反撃能力」(敵基地攻撃能力)に対して、「そもそも平和憲法に基づく専守防衛を逸脱しており、配備場所が他国から狙われる危険性も高まる。配備を見直すべきだ」と方針転換を迫る。
 ロシアが北方領土周辺で演習を繰り返していることからも、「力に力で対抗するようなミサイル配備は避けるべきだ」とする。
 熊本において住民から不安の声が上がっているにもかかわらず、防衛省が住民説明会を予定していないことを記し、さらなる配備が予想される道内において、「住民の理解を得ずになし崩し的に進めてはならない」と厳しく迫っている。
 そして、防衛省の26年度の概算要求額が、過去最多の8兆8454億円となっていることについて、「防衛費増額計画に沿った『規模ありき』で、専守防衛や必要性、地域への影響が軽んじられていないか」と疑問を呈し、「立ち止まって見直す時だ」と冷静な姿勢を求めている。

平和的国防産業にこそカネを出せ!

 「国の財政は税収増が続いているとはいえ、巨額の借金頼みであることに変わりはない。厳しい安全保障環境に対応する着実な防衛力整備が必要だとしても、『特別扱い』を続けることが妥当なのか」で始まるのは朝日新聞(8月30日付)の社説。
 「費用対効果や優先順位」の精査を求めているが、「費用対効果が疑わしいイージス・システム搭載艦の整備にも、引き続き関連経費が802億円計上された。元の計画だった陸上イージスに比べ、1年の3分の1程度しか運用できないのに、総事業費は倍以上で1兆円を超すというのだから、省内にも疑問視する声があるのは当然だ」と追及する。
 さらに、「財源確保のための増税の一部は先送りされたままで、他の政策課題へのしわよせも懸念される」と、防衛予算の聖域化に懸念を示す。
 この国の平和的国防産業が危機に瀕していることを「令和の米騒動」が教えてくれた。この産業の立て直しには、カネが要る。 
 ところが、日本農業新聞(8月23日付)の「読み解く食農データ」によれば、農林水産関係の「当初予算(各年度の予算のベースとなる)」は、1982年度の3兆7010億円が過去最高額。2025年度は2兆2706億円で、82年度の61%と4割減。当時より物価は上昇しており、実質的な予算額は「数字以上に目減りしている」となれば、この半世紀近い年月の間、第1次産業斬り捨て政策を粛々と進めてきたということか。何が瑞穂の国だ! まさに「見ず穂」の国へ一直線。
 何度でも言うが、日本を滅ぼすのにミサイルは要らない。兵糧攻めでイチコロ。
 ミサイル等々の最新兵器が、兵糧攻めに対してどのような反撃能力を有しているのか、防衛省の関係者にお聞きしたいものだ。

 「地方の眼力」なめんなよ

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