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賃上げ政策の不在に日本の沈没を見る【森島 賢・正義派の農政論】2025年9月29日

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●日本は低賃金国になり果てた
 初めに、日本の賃金状況を世界の中で見てみよう。下の図がそれである。野村証券が作ったもので、原資料はOECDである。

賃上げ政策の不在に日本の沈没を見る【森島 賢・正義派の農政論】

 かつては、日本は高所得国だったが、この図を見ると、いまや日本は、OECD加盟38か国のなかで25番目である。高賃金国ではない。中賃金国の最下位で、あと一番下がれば、低賃金国に転落してしまう。いま、日本は沈没しかけているのである。
 これは、これまでの賃上げ政策の失敗が主因である。それは、第一義的には政府の責任である。だが、それだけではない。批判を怠った野党を含む、政治全体の責任である。
 労働者の賃金を上げることは、農業者の所得を上げることにつながる。つまり、やや長い目でみたとき、労働者の賃金が農業者の所得より高くなることはない。その逆もない。労働市場での激しい競争で、両者は均衡するからである。

●賃上げ政策の不在
 さて、いま自民党の総裁選挙が活発に行われている。報道の多くは、それに乗っ取られている。その一方で、他の政党はカヤの外に放置されている。
 総裁選挙で中心になっている論点は、物価高騰対策である。だが、ここには、その表裏一体である賃上げの論点がない。大企業がため込んでいるカネを吐き出させて、賃金を上げるかどうか、の論点がない。せいぜい、最低賃金を僅かばかり上げるとか、税金を僅かばかり下げて手取り賃金を上げるとか、その程度の論点しかない。
 それらの論争を、否定するわけではない。しかし、賃金を上げるのは、政府ではない。賃金を上げるのは資本家である。政府に要求するのは、お門違いである。

●賃金は労資交渉で決まる
 そもそも、賃金は労働者と資本家との間で、直接にくり広げられる激しい交渉の中で決まるものである。労働貴族の忠実な代理人である政治家と、資本家の忠誠な代理人である政治家との間のボス交渉で決まるものではない。
 ここに目をつむって、賃金を上げるのだという。ほとんど全ての政党が、そのように考えている。多くの評論家も同様に考えている。
 これでは、選挙が終われば、何もかも終わってしまう。賃上げ運動は無くなってしまう。論理を飛躍させて、一言いっておこう。これは、政治がSNS文化を悪用した結果である。

●議会制民主主義の限界
 ここには、議会制民主主義の限界がある。賃上げは、議会の政治家に一切を任せることになる。当事者の資本家が表に出ることはない。陰に隠れ、カネの力を使って、賃上げを阻止するよう、政治家に圧力をかけていればいい。これは民主主義ではない。
 真の民主主義なら、政治の役割りは、労資間の交渉が公正に行われるように監視することである。例えば、非正規雇用の禁止など。

●賃上げが経済を発展させる
 また、労資間の賃上げ交渉は、経済のダイナミズムのエネルギー源である。
 つまり、こうである。労働者は賃上げを資本家に要求する。資本家は賃上げをすれば、その分だけ自分の取り分が減る。つまり、ゼロサムゲームである。
 ここから逃れる道が技術開発によるコスト削減である。これまで、このようにして世界の各国は経済を発展させてきた。それを怠った国は、歴史から消え去った。唯物史観は不易だった。
 日本はどうか。いまの日本は、技術開発の道を閉ざしている。技術開発のための資金は十分に蓄えてあるのだが、使おうとしない。そうして、賃金を上げないことに没頭している。
 日本の没落の原因は、ここにある。

●政治は賃上げ交渉に連帯せよ
 政治は、どうすればいいか。政治家が行うべきことは、労資間の賃上げ交渉が公正に行われるように監視することである。
 それは、国会前のデモに参加することだけではない。労組大会の会場へ行って、賃上げ交渉に連帯する意思を表明し、拍手喝采を浴びることである。
 また、農協大会の会場へ行って、無謀なコメ増産による米価引き下げに対する反対運動を激励し、熱烈な拍手喝采を浴びることである。

(2025.09.29)

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