(474)18期の卒論発表、無事終了!【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2026年2月20日
2/17-18は勤務先の大学の卒論発表会でした。筆者も仙台での最後の卒論指導でしたので、少々感慨深い時間でした。
現在の職場に2006年4月に着任した時、1期生はまだ2年生、その学生達を初めて送り出したのが2009年3月である。
今年のゼミ生は18期生4名(男子3名、女子1名)、いずれも卒論テーマは食品企業の経営戦略や生き残りと密接に関係する。卒論は、理解したつもりで誤解していたテーマ、全く意識していなかったトピック、どこから手をつけるか悩むテーマなど様々だが、一旦切り口が見つかればそこからの展開は早い。
難しいのは、彼らが4年生ということだ。就活や最後の夏休みなど卒論以外の「生活」も同時に進む。現実の卒論執筆は、いかに時間をやりくりするかが問われる。
かつて筆者は数多く本や論文を書く人は、一日の大半を執筆に充てているのではないかと誤解していた。しかし同じ立場を何年も経験すると、それは少数派であることが身に染みてわかる。多くの量を書くには少ない量を書き続けるに尽きる。学生も教員も同じである。淡々と作業を継続した結果が「量」につながる。
さて、今年は学生たちを送り出す方の筆者にも節目の年である。
ゼミ1期生に卒論を指導したのはリーマンショックの年、2008年である。夏までの余裕感が秋以降は一変したのを今でも思い出す。その中で2期と3期はよく頑張った。そして東日本大震災が2011年3月、ゼミ3期生の時である。卒業式も実施できず、ゼミ生と一緒に幸い営業していた中華料理屋で簡単にお祝いした。
4期・5期は復興支援の一環で様々なイベントを実施した。気晴らしにゼミ外で指導したスイーツが大ヒットした。その後、全国で大学発の学生考案スイーツが流行ったことを思うとさきがけのひとつであったかもしれない。
6期は早朝、論文の執筆で泊まり込んでいた学生の寝起き・すっぴん姿に遭遇したりした。7期ゼミで作った揃いのトレーナーは今でも大切にしている。8期は筆者が歴史方面へ大きくウエイトをシフトしたため世界史からの視点が増えた。9期はみんな徹底的に調べ、ある有名な文献の間違いを見つけるなどレベルも高かった。10期は桃の選果アルバイトの中心となり、よく遊びよく学んだ。11期は外部コンテストでしっかり入賞してくるなどチームワークが光った。12期はホワイトボードの出勤予定表がどこかの職場みたいだった。13期はコロナ禍でオンライン授業が始まり、ゼミ指導でもアクション・リサーチなど新しい方法を試した。14期は全員が宮城県外生のため、冷めた目で宮城を見つつ、お茶や代用コーヒーなど宮城から離れた卒論を楽しんだ。15期は、馬肉の生産・消費や、ワンタンを通じて見る中国古代史などユニークな卒論を仕上げた。16期は様々な理由から人数が過去最大となった。圧倒的多数でパワフルな女子学生に対し、男子はよく健闘した。17期は一人一人が落ち着いた雰囲気の中でカップ麺の新たな側面などを見せてくれたりした。
そして、18期4名はいずれも広い射程でユニークな卒論を仕上げた。全員飲み込みが早く、調査先からも可愛がられたようだ。食品を活用した経営戦略から地域新興の仕組み作り、そして個人店舗の事業承継など、射程はかなり広い。指導を通じて食産業の「幅の広さ」をそれなりに伝えられたのではないかと思う。「深さ」はそれぞれの分野で追求してもらえれば何よりだ。
大学に着任した頃、当時の同僚から言われた「卒業生と卒論を見れば指導力がわかる」という言葉を今でも覚えている。この総括はもう少し先でよいだろう。
今はただ、「一区切り!」という心境に近い。
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