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「執事の意地」か「羊の維持」か【小松泰信・地方の眼力】2026年3月4日

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米企業が自社の最新人工知能の軍事利用を拒むなど、執事の意地も各所にでている。

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執事問題

 冒頭の一文は、日本経済新聞(3月4日付)のコラム「春秋」におけるむすび。
 コラムは、「英国の作家カズオ・イシグロの『日の名残り』の主人公、スティーブンスは大戦間期、大きな屋敷の執事を務めた。執事道を究め、それを誇りにしていたが、(中略)自分の仕事の意義が実は主人次第だったことに気がつく」で始まる。
 「我々はみな執事だ」とイシグロが語っていたことから、「米国の現政権の人たちはどんな心持ちでトランプ大統領に仕えているのだろうと思ったり、ロシアやイスラエル、あるいは中国などではどうだろうと考えたりする」と続く。
 「国際法が機能する理性的世界に価値を置いているはずだが、米国がイランの指導者を殺害しても批判を控えざるを得ない」、そんな悲しむべき世界的状況下において、「安全保障を米国に頼る日本」の姿勢にまなざしを向けさせる。
 そして、「『執事問題』は正しさが力に翻弄される時代にいよいよ重い」として、執事の沈黙や消極的賛意を支持しているわけではないことを記し、「執事の意地」、すなわち執事が備える人格や倫理観に期待を寄せている。

アンソロピックの意地

 最新人工知能の軍事利用を拒んだのは、米人工知能(AI)開発企業のアンソロピック。  
 日本経済新聞(3月1日付)によれば、トランプ米政権は2月27日、同社の技術を米連邦政府全体から排除すると表明した。
 AIの用途制約が対立の発端。同社は国防総省に対し自社の利用規約で禁じる「人間が介在しない完全自律型兵器」「米国民の大規模な監視」の目的でAIを使わない保証を求めた。しかし国防総省は、米軍のあらゆる合法活動にその利用を認めるよう迫ったため、27日を期限とした協議で合意に至らなかった。
 決裂を受け、国防総省は同社を「サプライチェーン(供給網)上のリスク」に指定し、米軍の調達先企業に、同社とのあらゆる取引を認めないとした。このため、同社は同日、不当だと提訴する意向を表明した。
 国防総省は6カ月の移行期間を経て、オープンAIなどが提供する技術に切り替えるそうだ。
 オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)は、(1)完全自律型兵器(2)米国民の大規模な監視、この2つの用途で自社技術を使わないという利用制限について国防総省の同意を得たと説明したそうだが、これらの利用制限はアンソロピックが米軍に求めていた内容と同じ。対応に差をつけた背景に、「両社の政権との向き合い方の違い」があることを記事は示唆している。
 アンソロピックのダリオ・アモデイCEOは、安全重視のAI開発を掲げ、米テック界では珍しくAI政策に対しても批判を辞さず、その規制が必要だと主張してきた人物。こうした企業姿勢に、政権内ではかねて不満の声があったそうだ。ちなみに、ウォール・ストリート・ジャーナルによると、オープンAI幹部はトランプ氏を支持。26年11月の中間選挙に向けても献金している。一方、アンソロピックはAI規制を支持する候補を支援すると発表している。
 もちろん、アンソロピックの経営にとっては大打撃となりうる。それも覚悟の上だとすれば、何もできないが支持したい。
 トランプ氏はアンソロピックを「正気を失った左翼連中」とののしったが、「正気を失った」とは天に唾する言葉である。

スペインの意地

 産経新聞(3月4日付)によれば、スペインのサンチェス政権は米国のイラン攻撃を「国際法違反」と批判し、国内にある米軍基地の出撃使用を拒絶した。サンチェス首相は2月28日に米イスラエルがイラン攻撃を開始した直後、「一方的な軍事行動は拒絶する」と発信し、欧州首脳の中で唯一、トランプ政権を正面から批判してきた。3月2日には、スペインのアルバレス外相もテレビで「国連憲章に反する攻撃」は、米国との2国間基地協定にそぐわないという立場を示した。
 同政権は1月、米国がベネズエラに軍事介入した時も、米国を批判した。イスラエルに対しても、パレスチナ自治区ガザへの攻撃は「ジェノサイド(集団殺害)」にあたるとして非難してきた。
 スペイン南部アンダルシア州にあるロタ、モロン両米軍基地から、3日までに給油機など15機が移転。このうち少なくとも7機は、ドイツのラムシュタイン米空軍基地に移ったことを、ロイター通信の報道より紹介している。
 怒り心頭のトランプ氏は、「スペインは非協力的。ひどい」「すべての貿易関係を断つ」と、報復の意図を示した。

「羊の国」ニッポン

 執事と呼ばれるのは不本意だろうが、アンソロピックは企業として、スペインは国家として、その「倫理」を貫こうとしている。 
 日本の企業が、アンソロピックのような姿勢を、日本の政府が、スペインのような姿勢を示すことができるだろうか。
 小泉進次郎防衛大臣は3月1日の臨時会見で、米国の軍事行動を大臣として支持するのかどうかを問われて、「政府全体としてはそういう立場です」と、あっさりと支持を表明。
 毎日新聞(3月2日18時34分)によれば、高市早苗首相は2日の衆院予算委員会で、共産党の田村智子委員長が、米国とイスラエルに攻撃中止を求めるべきだとしたことに対し、「これが自衛のための措置なのかどうかも含めて詳細な情報を持ち合わせているわけではない」「我が国としてその法的評価をすることは差し控える」と答弁し、現時点での明確な判断を避けた。
 従順・群れ・無垢・犠牲といった象徴を背負わされやすく、その分、箴言や風刺、ジョークの"主役"になって来たのが、「執事」ならぬ「羊」。トランプ氏やアメリカにすれば、ニッポンは羊に失礼なくらい「羊」そのもの。

「羊の維持」からの脱却

 主権国家であるにもかかわらず、いつまで「羊の国」であり続けるのか。
 しんぶん赤旗(3月4日付)で、高橋和夫氏(放送大学名誉教授)は、「今回の米・イスラエルのイラン攻撃は、まったく国際法を無視した、中東を大混乱させる暴挙」と断じ、両国に対して「国際法違反だ」と言うべきだと、日本政府に迫っています。
 多くの国民は主体性を奪われた「羊」のままでいること、すなわち「羊の維持」を望んではいない。アンソロピックやスペインを孤立化させぬために、そしてわが国が国家としての主体性を取りもどす一歩を踏み出すために、アメリカとイスラエルに対してイラン攻撃は「国際法違反の暴挙」である、と抗議の声を上げなければならない。

 「地方の眼力」なめんなよ

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