能登半島地震 初動対応で課題検討 JA共済連広域支援チーム2024年5月15日
JA共済連は5月14日、能登半島地震の損害調査に携わった広域支援チームによる初のミーティングを開き、今回の初動対応を振り返るとともに、広域支援体制の今後の課題などを話し合った。
広域支援チームのミーティング
JA共済連は大規模自然災害の発生時に損害調査などの対応を現地入りして支援する広域支援チームを現在、全国本部職員25人で編成している。
災害が発生するとあらかじめ決められているスケジュールに基づき担当者が被災地の県本部に駆けつけることになっており、今回は1月4日のJA共済連災害対策本部で広域支援体制を決定、それを受けて8日に先発隊として2名が石川県本部に入って広域事務局を設置、同様に新潟県、富山県本部などにも派遣し、交代しながら現地で支援に当たった。
チームメンバーは全国本部と県本部との仲介や調整行うほか、全国から派遣されてくる広域査定員の支援を行うなど、広域査定資格取得者のなかでも、現地のコントロールタワーとして初動対応を進める経験と能力を持つスペシャリストであり、この日は実出席で17人がミーティングに参加した。
JA共済連によると能登半島地震による事故受付件数は12万3000件で、そのうち96%で調査が完了、共済金支払いは74%で完了しており、支払金額は1000億円を超えた。
ミーティングでは能登半島地震の損害調査の振り返りが行われた。そのなかで新潟県本部では過去の地震被害の経験からJA調査員を動員する体制をとっており、今回も新潟県は他県よりも早い1か月で調査を終了した。そのため今後は全国から応援に入る職員に加え、JA調査員が損害調査をする体制づくりの必要性も挙げられた。ただ、いざというときに対応できるような研修のあり方などの課題も指摘された。
一方で能登地域ではJAやJA職員も被災し避難を余儀なくされるなどで、JA職員が損害調査に同行し組合宅へ案内できないという事態もあり、地域の実情を踏まえた支援のあり方も課題とされた。
森哲弥常務
契約者との連絡では携帯電話番号の登録や、スマホのアプリを使った連絡などの必要性が挙げられたほか、損害調査でもデジタル技術の有用性も指摘された。今回、輪島市の朝市の火災現場の損害調査には人工衛星を使って全損確認をした。人員に限りがあり、また、現地に近づけないケースもあるなか、「人工衛星などの活用には本気で取り組んでいく」としている。
そのほか、広域事務局の業務を標準化して、チームメンバーを増やすことを検討する必要性も指摘された。
森哲弥常務は「契約者の負託に応える最大のサービスはスピード。そのためにどれだけ調査を急ぐかが大事、一日も早い共済金の支払いが、どう立ち直ろうかと考えている契約者の応援になる」と強調した。
重要な記事
最新の記事
-
【注意報】ピーマンにアザミウマ類 県内全域で多発のおそれ 大分県2025年7月10日
-
【注意報】トマト、ミニトマトに「トマトキバガ」県内全域で多発のおそれ 大分県2025年7月10日
-
【注意報】イネカメムシ 県内全域で多発のおそれ 埼玉県2025年7月10日
-
【特殊報】メロンにCABYV 県内で初めて確認 茨城県2025年7月10日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】コメ増産こそが自給率を向上させる~輸入小麦をコメで代替すれば49%2025年7月10日
-
【第46回農協人文化賞】地道な努力 必ず成果 経済事業部門・愛知県経済連会長 平野和実氏2025年7月10日
-
【第46回農協人文化賞】全ては組合員のため 経済事業部門・宮崎県農協副組合長 平島善範氏2025年7月10日
-
ジネンジョとナガイモ【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第348回2025年7月10日
-
【2025国際協同組合年】SDGsと協同組合 連続シンポジウム第4回2025年7月10日
-
備蓄米 コンビニの7割で販売を確認 7月9日時点 農水省調査2025年7月10日
-
【人事異動】農水省(7月11日付)2025年7月10日
-
水稲の斑点米カメムシ類 多発に注意 令和7年度病害虫発生予報第4号 農水省2025年7月10日
-
【JA人事】JA加賀(石川県)新組合長に道田肇氏(6月21日)2025年7月10日
-
【JA人事】JA新みやぎ(宮城)新組合長に小野寺克己氏(6月27日)2025年7月10日
-
「田んぼの生きもの調査」神奈川県伊勢原市で開催 JA全農2025年7月10日
-
「米流通に関するファクトブック」公開 米の生産・流通など解説 JA全農2025年7月10日
-
「おかやま和牛肉」一頭買い「和牛焼肉 岡山そだち」ディナーメニューをリニューアル JA全農2025年7月10日
-
本日10日は魚の日「呼子のお刺身いか」など150商品を特別価格で販売 JAタウン2025年7月10日
-
転炉スラグ肥料がイネの発芽・発根・出芽を促進 農研機構2025年7月10日
-
適用拡大情報 殺菌剤「日曹ムッシュボルドーDF」 日本曹達2025年7月10日