フランスパン用の新小麦「さちかおり」を開発2018年7月10日
・農研機構と鳥越製粉が共同開発
新品種の小麦「さちかおり」は、従来のパン用品種で九州など主に西日本で栽培されている「ミナミノカオリ」よりも早生多収で、穂発芽しにくく栽培しやすい品種。ミナミノカオリよりも膨らみが大きく、旨味成分の多いフランスパンが作れる。
今回の共同開発の背景には、これまで使われていた食パン用の強力小麦品種であるミナミノカオリよりも、フランスパン作りに適した準強力小麦品種の開発の要望が実需者側から強くあったためだ。
そこで農研機構は、創業以来、地元九州に根付いている鳥越製粉と共同で、フランスパン加工適性に優れる新品種の小麦「さちかおり」を育成した。農研機構はこれまで小麦粉のパン加工適正評価については食パンを作って評価をしてきたが、フランスパンを焼くノウハウを持っておらず、鳥越製粉に協力を求めた。
(写真)左から2本目と3本目がさちかおりを使ったフランスパン。膨らみの大きさが分かる
さちかおりは、ミナミノカオリに比べて収量が約1割多い多収品種で、早生な点も特徴だ。フランスパン加工試験の結果では「ミナミノカオリ」よりパンの膨らみが大きく、焼き色も濃い。また旨味と甘味成分が高く(表参照)、もちもちとした食感の美味しいフランスパンが作れることが分かった。
現在、佐賀県みやき町を中心に一般栽培が始められている。小麦粉や加工品は、今年中に販売開始の予定だ。栽培面積は7haとまだ少ないが、今後、国産小麦の需要の高まりにより、国産パン用小麦の1つのアイテムとして、徐々に作付けが広がることが期待される。
なお「さちかおり」のネーミングはパンの香りにあふれ、幸(さち)豊かな食卓が日本中に広がることを願い、名付けられた。
(関連記事)
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