超強力小麦「ゆめちから」で大臣賞2017年8月22日
つながるイノベーション大賞
農林水産省は8月21日、「第15回産学官連携功労者表彰~つながるイノベーション大賞~」における農林水産大臣賞の受賞者を決定した。授賞式は9月1日に東京ビッグサイトで行われる。
農林水産大臣賞は、超強力小麦「ゆめちから」の開発とこれを利用した国内産小麦によるパンの開発に決定した。
受賞者は敷島製パン(株)・盛田淳夫代表取締役社長、国立大学法人帯広畜産大学生命・食料科学研究部門・山内宏昭教授、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構北海道農業研究センターゆめちから育成グループの3者。
超強力小麦品種「ゆめちから」は北海道農業研究センターが開発した。パン用の小麦にはタンパク質量が多く、力の強い生地ができる強力小麦が使われるが、超強力小麦はこれよりさらに力が強く、国内産小麦の大部分を占める中力粉とのブレンドによって優れたパンができる。
北海道農業研究センターはこの「ゆめちから」が北海道で本格的に普及する前から敷島製パンと連携し、メーカーの量産化ラインを利用した適正な製パン方法を早期に開発した。同時に敷島製パンは帯広畜産大学と連携し、小麦粉の加工利用基礎技術を開発、多様な種類のパンの商品化にも成功した。
こうした連携によって、極めて困難とされていた国内産小麦を使用したパンを工場生産ラインで量産化できることが明らかとなったことが「ゆめちから」の普及・生産拡大を進め、また、パン製造の問題点を現場レベルでクリアし、製品開発と上市を効果的に進めることができたという効果を生んだ。
敷島製パンは国産小麦100%の製品を28アイテム発売し平成25~27年で1億個超売りあげたという。同社の「超熟」シリーズには使用している小麦粉中2~3%だがすべてに「ゆめちから」を配合している。
産官学連携功労者表彰は企業、大学、公的研究機関等における産学官連携活動で大きな成果や成功事例を讃えることを目的にしている。
(関連記事)
・パン用小麦新品種「夏黄金」開発 東北・北陸で(17.06.14)
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