シンとんぼ(150)-改正食料・農業・農村基本法(36)-2025年7月12日
シンとんぼには農業の持続的発展と食料の安定供給への切なる思いがあり、この思いが一日でも早く実現されることを願いながら、今後の農業を占う様々な事項について持論を展開している。現在、2024年6月に改正された食料・農業・農村基本法をしっかりと学び、同法を理解した上で農業関係者が何をしなければならないのか思案を巡らせている。実際の具体的な内容については先日(4月11日)に閣議決定された「食料・農業・農村基本計画」をもとに詳細を検討することになると思うが、まずは改正法全体の理解を深める方が先決と考え、引き続き条文の内容把握をすすめている。今回は第四十条と第四十一条だ。
第四十条は、旧法の第三十一条であり、農業災害による損失の補塡をテーマにしている。その内容は、「国は、災害によって農業の再生産が阻害されることを防止するとともに、農業経営の安定を図るため、災害による損失の合理的な補塡その他必要な施策を講ずるものとする。」となっている。近年線状降水帯の発生など農業に甚大な被害をもたらす災害が増加するなか、災害被害への迅速な対応が農業生産維持のために益々重要になっている。ぜひとも骨太の対策を期待したいところだ。
第四十一条は、新設された条文で、伝染性疾病等の発生予防等をテーマにしており、その内容は、「 国は、家畜の伝染性疾病及び植物に有害な動植物が国内で発生及びまん延をした場合には、農業に著しい損害を生ずるおそれがあることに鑑み、その発生の予防及びまん延の防止のために必要な施策を講ずるものとする。」となっている。昨今、鳥インフルエンザや口蹄疫など家畜を冒す重篤な伝染病の発生拡大に対応するものであり、被害を最小限にするために大変重要な課題である。その対応いかんによって、その後の生産維持の関わる課題でもあるので、災害対策と同様に骨太の対策を期待したい。
なお、自然循環機能の維持増進をテーマにした旧法の第三十二条は削除されている。旧法での内容は、「国は、農業の自然循環機能の維持増進を図るため、農薬及び肥料の適正な使用の確保、家畜排せつ物等の有効利用による地力の増進その他必要な施策を講ずるものとする。」となっており、この内容は、新法の第四十二条以降にその内容が盛り込まれているので、次回検討してみよう。
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