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【スマート農業の風】(20)スマート農業を活用したJAのデジタル管理2025年12月5日

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スマート農業の技術は応用が利く。全農の提供する営農管理システムZ-GISのように圃場を登録し、圃場の場所と情報を紐づける仕組みはJAのほかの業務にも役に立つ。今回は、営農ではないほかの部門がZ-GISを使い圃場管理の業務を進めた事例だ。

スマート農業の風_sum

埼玉のとあるJAは4市にまたがる規模の大きなJAだ。東京近郊という土地柄から多くの生産緑地を抱えている。生産緑地とは、都市計画法によって「生産緑地地区」として指定された地域の農地を言い、30年間、税制優遇を受けられるが営農義務が生じる。

生産緑地の中に「特定生産緑地」がある。特定生産緑地の指定については、生産緑地の優遇期間を経過する前までに、市区町村に特定生産緑地の指定の申請をおこない、農地利害関係人の同意を得たうえで、市区町村が都市計画審議会に意見聴取をおこなった後、「特定生産緑地」として指定の公示を受ける。公示後は、従来の生産緑地と同じ税制優遇(固定資産税農地並み課税・納税猶予の特例利用可能)が継続され、買取り申出ができる時期が10年間延長される。

言い方を変えると、都市部で生産緑地の指定を受けた農地は、30年を経過する前に特定生産緑地の申出をおこない、公示を受けないと税制優遇が受けられず農業経営が難しくなるということだ。その結果、多くの農地が宅地に転用され、宅地が過剰供給になる。これは「生産緑地の2022年問題」として恐れられた。その当時このJAでは、JA全中の指導もあり、生産緑地を所有するJA組合員の意思把握や相談対応をおこなった。

特定生産緑地の申出は、所有者自身で申請することができる。ただ、10年後にその所有者が管理できるとは限らない「次の世代に移っている」「財産分与で複数の所有者になっている」など様々なことが考えられる。また、JA組合員の所有する土地は、JA組合員の資産である。営農を続けるにしろ、生産緑地を解除し住宅地として活用するにしろ、組合員の資産を適切に守っていくのがJAの役割だ。そのため、組合員の土地情報を可視化・データ化し、相談活動を展開していく必要があった。ただ、データを地図と結びつけ可視化・データ化するのには手間がかかる。そこでJAでは、正確な地番を把握するため、Z-GISの地図データに特定生産緑地の地番を紐づけ、整理をした。データ制作は3カ月かかったものの、JAグループの企業に作業を委託したため、JA職員による作業を伴わず、省力・低コストで済んだ。

このJAでは、Z-GISで作成した管内約4000筆の生産緑地情報をもとに、特定生産緑地を所有する組合員に対し、適時適切なサポートと、生産緑地の継続意思の管理、手続き代行管理などをおこなった。また、作成した特定生産緑地データは、JA内における情報管理の円滑化や特定生産緑地情報の見える化、JA職員間での情報共有・活用促進にも役立っている。いままで使われていた住宅地図などの現物地図に直接手書きした情報は、修正も持ち運びも大変だったが、Z-GISを活用することで、スマートフォンやタブレットから簡単に管理・参照ができるようになった。

このJAでは、特定生産緑地管理以外でのZ-GIS活用も進めている。営農や渉外など様々な部署でZ-GISが利用できるよう内部研修会を開催し、新しい使い方の検討を進めている。「特定生産緑地を所有する農家だけでなく、JA組合員に向け、Z-GISの地図情報を活用し、地域にあった様々なサービスを提供していきたい」とJAの担当者は言う。そのためには、農家のことをよく知るJAが、農業経営だけでなく、農家の資産運用(不動産経営・駐車場経営)も担えるようなデータベースが必要となる。またそれらは、都市型のJAにとっても重要な資産になると言える。このJAでは、Z-GISで管理する生産緑地の情報をもとに、次世代を含めた生産者に営農・経営・資産運用など様々な提案をおこなうことで、都市農業を支えている。

農地を含む土地の切り売りで農家の自宅の建て替えが出来ないことがあるという。それは、JA以外の不動産業者に土地を販売するときに起きやすい。土地が売れるときは、幹線道路に近い値段の高い土地から売れていく。昔の農家は、家を囲むように農地があり私道をへて家に入っていった。バンバン土地が売れていきいざ家を建て替えようとしたときに自宅が4メートル道路に接しておらず、建て替えが出来ないと言うのだ。JAの不動産係にお願いしていればこんなことは起こらないと思うが、世代が変わりJA離れが起きていてこれが起きる。JAと農家の関係を示す一例だが笑い話にもならない。

今回説明したようなスマート農業の技術がJAの事業支援につながる例は少ない。ただ、営農で培ったスマート農業がJAの他事業で生かされ、農家のために役立つのであれば、それは新たなスマート農業の目指すかたちとなるのではないか。

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