【注意報】果樹に大型カメムシ類 果実被害多発のおそれ 北海道2025年7月11日
北海道病害虫防除所は、各種果樹で大型カメムシ類による果実被害が多くなるおそれがあるとして、7月10日に令和7年度病害虫発生予察注意報第5号を発表した。
(提供:北海道病害虫防除所)
北海道病害虫防除所によると、6月下旬以降、道南地域の醸造用ぶどう園地でチャバネアオカメムシ等の大型カメムシ類(写真1、2)の発生が目立っている。また、道央地域のりんご試験園地(無防除)や醸造用ぶどう園地でも発生が確認されている。
北海道での大型カメムシ類によるぶどうへの加害は令和5年8月中旬に初めて確認されたが、今年の発生確認は令和5年度より1~2か月早い。
チャバネアオカメムシは、本州では成虫越冬して寄主を変えながら年1~3回発生することが報告されている。北海道内における発生生態は不明な点が多いが、通常は年1回の発生と考えられ、りんご、ぶどう、おうとうの果実等を加害すると確認。一方、ブチヒゲカメムシは成虫越冬して年1~2回発生すると考えられている。
札幌管区気象台が7月3日付で発表した1か月予報によると、向こう1か月の気温は平年より高い予報。果樹を加害する大型カメムシ類の活動が活発になるものと予想される。
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
(1) 山林から園地への果樹カメムシ類の飛来数は地域による差が大きいため、園地への飛来状況をよく観察する。特に、山間部や山林に隣接する園地では注意する。
(2) 成虫が次々に飛来して果実被害が懸念される場合は、樹種ごとに表1~3に示す薬剤で直ちに防除を実施する。
(3) 天敵類にも影響を及ぼすピレスロイド系剤(RACコード:3A)の散布後は、ハダニ類やカイガラムシ類が増加することがあるので、これらの発生にも注意する。
(4) 有袋栽培は吸汁被害を抑制する効果があるため、袋かけは遅れないように実施する。また、果実の肥大によって袋に果実が密着すると袋の上から吸汁されることがあるため、果実と袋の大きさのバランスに留意する。
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