【2025国際協同組合年】協同組合の父 賀川豊彦とSDGs 連続シンポ第4回第二部2025年7月11日
2025国際協同組合年全国実行委員会は7月5日、第4回シンポジウムの第二部「持続可能な暮らしのために先人から学び未来へつなぐ~協同組合の父 賀川豊彦とSDGs」を東京国際フォーラムを会場に開き、オンラインでも配信した。
第4回シンポジウム第二部
シンポジウムでは(公財)賀川事業団雲柱社の石部公男理事長が「SDGs先駆者として賀川豊彦」を報告した。
賀川豊彦(1888~1960年)は日本の協同組合運動の先駆者であり共益社や神戸購買組合、灘購買組合などの設立に参加し、日本の協同組合運動の基礎を築いた。
戦後は日本生活協同組合連合会を創設し会長となったほか、1951年のJA共済連の設立に関わり顧問となるなど、農協やJA共済の父とも呼ばれている。
賀川は1920年代から30年代にかけ北米と北欧を訪ね、とくにデンマークでは農村の青年層が社会的自立や民主主義精神を養う国民高等学校(ホルケホイスコーレ)に感銘を受け、帰国後にそれを参考に「農民福音学校」を設立した。
石部理事長は「賀川は北欧諸国の高福祉社会、協同組合運動、農村教育から多くを学び、日本の社会改革や協同組合運動に応用した。賀川の思想と実践は北欧型社会民主主義や相互扶助の精神と結びついている」と解説し、現代日本の協同組合運動を推進していくには「賀川の考え方を共通基盤だと意識する必要がある」と述べた。
福祉社会論を研究する大阪大学の齋藤弥生教授は北欧の福祉社会を日本に最初に紹介したのが賀川であり、「共助のもと自立して生活する人々を見た」と書き残しているという。
スウェーデンでは男女を問わず、あるいは障害者も含めてみなが働く社会をめざし、税は高いが公的セクターが大きく、すべての人を対象にした福祉政策が行われている。1982年に施行された社会サービス法では、基礎自治体(コミューン)は必要な人に必要な社会サービスを提供する最終責任を負うと規定されているという。
齋藤教授は基礎自治体について協同組合の理念が基盤にあるとして、北欧では協同組合運動が社会の基底にあったことが、戦後、福祉社会への歩みを進めたと指摘した。相対的貧困率は日本は15.7%、米国は18.1%だが、デンマークは6.4%、スウェーデンは8.7%と低く、格差の少ない社会といえる(2018年のデータ)。
ただし、最近では北欧の研究者からは日本の農協組織が厚生連病院を持つなど協同組合が医療機関を運営していることに関心が高まっているといい「これからは日本からの発信も必要ではないか」と提起した。
生活クラブ生協連の伊藤由里子顧問はデンマークから学んだローカルSDGsの取り組みについて報告した。
デンマークは税負担率は約65%だが、必要な施策を国が行っている。たとえば高齢者福祉は、高齢者の自己決定を手助けする機能で働き手は公務員だという。子育ても親が責任を持つのは18歳まで。それまでに必要な学力だけでなく、ディスカッションのスキルを育てる。19歳以降の高等教育は専門性を中心に置き、年齢に関係なく意欲を制度で支えているという。また、失業した際のフォローの手厚い。
伊藤氏は「人が協同して仕組みを作るという考え方が根づいている。必要なら作る、ないなら作る。住民が出資して風車を建設し協同組合で運営している」ことも紹介した。
こうしたデンマークの視察をもとに食べる側(生活クラブ)/作る側(生産者)という関係ではなく、都市圏の生活者/生産地の生活者という新たなパラダイムをローカルSDGs構想で打ち出した。
伊藤氏は、自由主義経済が一人勝ちするなかで「もうひとつの社会・経済」が求められているとして、「協同組合型社会」を対置することが求められており、その主軸は「全員参加型」(たすけ、たすけられる社会)ではないかと提起した。
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