「酪農危機の中で真剣に経営考え始めた」 全国の若手酪農家が意見交換 酪農サミットin東京2023年3月17日
全国の若手酪農家らが意見交換を通して交流を深める「酪農サミット in 東京」が3月16日、東京都内で開かれた。飼料などあらゆる資材の高騰で酪農危機が叫ばれる中、若い酪農家からは「不確定要素がある中で何が経営の要であるかを真剣に考えるようになった」「消費者の理解醸成は生産者みずからも取り組むべきだと思う」などと、酪農の未来に向けて前向きな意見が相次いだ。

若い酪農家が意見交換した「酪農サミット in 東京」
全国の酪農生産者らでつくる「地域交流牧場全国連絡会」(交牧連)の主催で、同団体の中で若手経営者や従業員らでつくる「クラブ・ユース」の全国各地のメンバーなど約40人が参加した。コロナ禍で2年間はオンライン開催だったため実開催は3年ぶり。
はじめに交牧連クラブ・ユースリーダーの富澤裕敏さんが「現在も続く酪農氷河期と言える過去に例を見ない経営難が毎日のように報じられていますが、みなさんはどう思っていましたでしょうか。ユースメンバーとの出会いが今ほど自分のエネルギーになっていると感じることはありません。一人ひとりの新たな飛躍の一歩につながる1日にしたいと思います」とあいさつした。
会場では参加したメンバーが5,6人ずつの小グループに分かれ、「今の酪農情勢下で苦労していること、工夫していること」などをテーマにグループディスカッションが行われた。各チームとも経営者や後継者、従業員らがバランスも考慮して編成された。
意見交換では、主に飼料が高騰する中で自給飼料への取り組みや、乳牛の産後の体調管理など地域の事情に応じて工夫を凝らしている経験などの報告が多かった。千葉県の牧場経営者は「資材高騰など不確定要素が多い中で何が経営の要なのか真剣によく考えるようになった。外的要因に振り回される経営はしたくないと思って取り組んでいる」と述べ、従来以上に注意深く牛の体調管理などに向き合っていることを紹介した。
また、消費者に酪農の現状が伝わっていないのではとの問題提起に対し、「消費者に酪農に対する意識を高めてもらえるよう生産者自身も取り組んでいく必要があると思う」との意見も出されていた。
グループディスカッションのあと、各グループから意見交換の内容が報告された。この中では「稲作農家と連携してもみ殻などの調達に取り組んでいる」「電気代節約のためこまめにスイッチを切るシールを貼るなど基本に立ち返って見直している」「牛乳の価値を理解してもらうためしっかり発信していきたい」などと具体的な取り組み事例や今後の対策に向けた意見などが報告され、参加者の間で共有された。
重要な記事
最新の記事
-
ナガエツルノゲイトウ防除、ドローンで鳥獣害対策 2025年農業技術10大ニュース(トピック1~5) 農水省2025年12月19日 -
ぶどう新品種「サニーハート」、海水から肥料原料を確保 2025年農業技術10大ニュース(トピック6~10) 農水省2025年12月19日 -
【浜矩子が斬る! 日本経済】「経済関係に戦略性を持ち込むことなかれ」2025年12月19日 -
【農協時論】感性豊かに―知識プラス知恵 農的生活復権を 大日本報徳社社長 鷲山恭彦氏2025年12月19日 -
(466)なぜ多くのローカル・フードはローカリティ止まりなのか?【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年12月19日 -
福岡県産ブランドキウイフルーツ「博多甘熟娘」フェア 19日から開催 JA全農2025年12月19日 -
「農・食の魅力を伝える」JAインスタコンテスト グランプリは、JAなごやとJA帯広大正2025年12月19日 -
農薬出荷数量は0.6%増、農薬出荷金額は5.5%増 2025年農薬年度出荷実績 クロップライフジャパン2025年12月19日 -
国内最多収品種「北陸193号」の収量性をさらに高めた次世代イネ系統を開発 国際農研2025年12月19日 -
酪農副産物の新たな可能性を探る「蒜山地域酪農拠点再構築コンソーシアム」設立2025年12月19日 -
有機農業セミナー第3弾「いま注目の菌根菌とその仲間たち」開催 農文協2025年12月19日 -
東京の多彩な食の魅力発信 東京都公式サイト「GO TOKYO Gourmet」公開2025年12月19日 -
岩手県滝沢市に「マルチハイブリッドシステム」世界で初めて導入 やまびこ2025年12月19日 -
「農林水産業みらいプロジェクト」2025年度助成 対象7事業を決定2025年12月19日 -
福岡市立城香中学校と恒例の「餅つき大会」開催 グリーンコープ生協ふくおか2025年12月19日 -
被災地「輪島市・珠洲市」の子どもたちへクリスマスプレゼント グリーンコープ2025年12月19日 -
笛吹市の配送拠点を開放「いばしょパル食堂」でコミュニティづくり パルシステム山梨 長野2025年12月19日 -
鳥インフル 米国からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年12月19日 -
子牛の寒冷ストレス事故対策 温風式保育器「子牛あったか」販売開始 日本仮設2025年12月19日 -
香港向け家きん由来製品 北海道からの輸出再開 農水省2025年12月19日


































