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畜産:この人と語る21世紀のアグリビジネス

【シリーズ・この人と語る21世紀のアグリビジネス】酪農生産者と乳業は"車の両輪" 尾崎玲・協同乳業(株)代表取締役社長2013年11月13日

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インタビュアー坂田正通(本紙論説委員)

・農民自らが乳業へ参入
・事業基盤は酪農家
・独自開発のビフィズス菌
・地域限定の牛乳も好評
・生産基盤壊す加工品の輸入

 協同乳業(株)は、農民の農民による農民のための会社として、昭和28年(1953年)に長野県の生産者によって設立され、今年で60年の節目を迎える。牛乳だけではなく、発売開始から50年以上経ったいまでも愛されているアイスクリームの「ホームランバー」をはじめ多くの乳製品を世におくりだしている。さらに最近は、独自のビフィズス菌「LKM512」の研究・開発が、多くの専門家からも高く評価され注目を集めている。独自の路線で日本の酪農生産者を支えている協同乳業(株)の尾崎玲社長に本紙論説委員坂田正通がインタビューした。

◆農民自らが乳業へ参入

尾崎玲・協同乳業(株)代表取締役社長――今年の6月に社長に就任されました。おめでとうございます。
 「ありがとうございます」
――職種が金融から現業となり大変だと思いますが、心境としては…
 「当社へ来る前に雪印メグミルクに2年おり、少しこの業界については勉強をしてきました」
 「しかし、金融からメーカーに来て、まず牛乳は生ものでしかも仕入量が確定的ではありませんが、毎日工場を稼働して生産し、流通を通じてそれを全国津々浦々まで売り切るというのは、まったく金融とは違う世界ですので、どこがどういう仕組みでモノや情報が流れているのか理解するのが大変です」
 「しかし、サプライチェーンとしては、酪農の生産があって私たち乳業があり、そして流通へと一つのシステムをつくっているので、立派な産業だなというのが第一印象です」
――協同乳業さんは農民主体というイメージがありますね。もともとは長野県で創業されましたね。
 「1953年(昭和28)12月に設立されましたから、今年の12月で60周年になります」
 「設立の前の年に冷害があって、長野県の農家もかなりのダメージを受けました。しかし、酪農を複合経営していた農家のダメージは比較的小さく、酪農をすると農家経営が安定するということ。さらに当時の酪農事業は大手資本が中心でしたが、農民自身の手による農民のための酪農事業を始めようということで設立されました」
――いまでもそうした創業時の精神は受け継がれているわけですね。
 「“酪農との共生”として受け継がれています」
 「良い生乳がないと良い商品はできません。そして乳業が付加価値を高めて、良い商品をつくって売ることで、酪農経営も安定するわけですから、経営理念としていまでも受け継がれています」
――ブランド名は「メイトー」となっていますがこれは…
 「農民が出資して設立されましたが、その出資金だけでは足りず、設立の精神に賛同して資本参加してくださったのが『名古屋精糖』でした。社名は、創業精神に則り、農民による“協同”乳業とし、実質の親会社である名古屋精糖の社名を『名糖(メイトー)』というブランド名に留めて使っているわけです」

◆事業基盤は酪農家

――以前、入院していた時に出た牛乳がメイトーでしたが…
 「販売チャネルの一つとして、病院関係とか介護関係があります。そして病院で飲んだ牛乳を続けて飲みたいというお客様もたくさんおられますので、大事に対応させていただいています」
――御社の工場は…
 「東京(西多摩郡日の出町)、千葉(船橋市)、新群馬(伊勢崎市)、東海(愛知県犬山市)、千葉デザート工房(四街道市)の自社工場と、子会社の信州ミルクランド(株)(松本市)、広島協同乳業(株)(山県郡北広島町)、北陸メイトー乳業(株)(石川県白山市)があります。このような生産体制で、大手量販店、CVSといった全国販売に対応しています」
――原料の生乳はどこから?
 「生乳はシステムができあがっていて、首都圏の場合は関東の千葉、茨城、栃木が中心ですが、これらの地域がタイトなときは北海道(ホクレン)から調達しています」
――生乳の価格がいろいろ問題になりますが、そのあたりはどう対応されているのですか。
 「当社の基盤は酪農生産ですから、車の両輪のように共存共栄が基本的な考え方です。そして、生乳など原料生産、そして乳業での加工、さらに流通の三者でサプライチェーンをつくっていますから、それぞれが努力することで、サプライチェーンが全体としてよくなっていく。そうした流れになるのが一番いいと思います」

◆独自開発のビフィズス菌

――御社の商品としてはさまざまなものがありますが、ビフィズス菌の「LKM512」は、御社が独自に開発されたとお聞きしていますが。
 「LKM512というのは、協同乳業の研究所が持っている512番目のビフィズス菌の株という意味で、15年かけて独自に研究を重ねた成果です」
 「マウスの寿命は一般的には約2年ですが、このLKM512を与えたマウスは約6カ月(平均寿命の4分の1程度)寿命が延びました。
 LKM512はビフィズス菌のなかでも胃酸に強く、生きたまま腸に到達し、大腸で元気に増えます。そして大腸で善玉物質であるポリアミンが増える環境をつくります。
 ポリアミンが十分に存在していると、大腸の防御機能が高まり、発がん物質などの有害物質の侵入を防ぎ、さまざまな病気を防ぎます」
 「こうした研究成果は、2011年に米国の科学雑誌「PLoS ONE」に掲載され注目を集めましたが、国内外の多くの専門家によっても科学的な根拠に基づいた研究であると認められたものです」
――ヨーグルトとして販売しているのですか。
 「ヨーグルトが主体ですが、サプリメントのように顆粒のものもあります」
――そのほかの商品としては…
 「アイスクリームの“ホームランバー”は1960年(昭和35)から生産をはじめていますから、50年以上の歴史があり、“アイスクリームといえば銀紙包装のホームランバー”として多くの人たちに愛され続けてきている商品です」
 「アイスクリームは乳製品市場のなかでは伸びている商品です。その他では、チーズとヨーグルトが伸びてきています」

LKM512で寿命が伸びた!

◆地域限定の牛乳も好評

――牛乳では地域限定商品がありますね。
 「東京工場の近くの多摩地区の酪農家に限定して集乳した生乳を東京工場で殺菌パック詰めした産地限定の“東京牛乳”や、東海地区限定で愛知県産生乳100%使用の“犬山発 おいしい愛知牛乳”、京都丹波地方の生乳100%使用の関西地区限定“京都の美味しい牛乳”があります」
 「そして長野県安曇野の限定した酪農家の生乳による“酪農家限定 信州安曇野牛乳”(ビンのみで宅配専用)も好評です。当社では長野県に獣医が9名いて、牛の健康管理をしており、そうした意味でも安心で美味しい牛乳です」

◆生産基盤壊す加工品の輸入

――いまTPP参加をめぐる議論がされていますが、どういう影響があるとお考えですか。
 「生乳は鮮度が保てないので海外から入ってくることは考えにくいと思います。ただし、粉乳とかチーズやバターなど加工製品が入ってくる可能性が高いので、その分野での影響は大きいと考えています」
 「世界的な乳資源の需給をみると、中国が経済成長し、乳資源を消費しはじめ乳資源がひっ迫しています。これから経済成長が見込まれるインドや中東、10年先まで考えればアフリカの人たちは乳資源を比較的たくさん食べるので、世界的には酪農生産が消費に追いつかない時代がきます。そのときに日本の酪農が健在でないと、日本国民として乳資源を手に入れることが難しくなると思います。そういう意味で、TPPの影響は大きいといえます」
――ありがとうございました。


【インタビューを終えて】

 バンカー(農林中金)から事業家への転進で視野が広くなったと今年6月社長に就任した尾崎さんはいう。
 酪農家、JA組織力の良い面が理解できた、前向きに貢献したいと抱負を語る。
 協同乳業(株)は、長野県の農民資本から60年前スタートしたが、その資本だけでは足りずに名古屋精糖から資本金の大半の拠出を受けたことにより、創業以来「名糖(メイトー)」をブランド名として使っている。
 日本初のアイスバー(ホームランバー)の製造販売、日本初のテトラパック牛乳の製造販売など数々の「日本初」を生みだし、最近では独自のビフィズス菌「LKM512」の研究・応用に力を注いでいる。ビフィズス菌「LKM512」は菌が生きたまま胃酸をくぐり抜けて腸まで到達し、増殖して腸内環境を改善する。そのため長寿効果が期待できる食品である(LKM512特設サイト参照)。
 尾崎さんの趣味は、ゴルフと音楽鑑賞。ビートルズからロックへ、最近はモダンジャズに凝っている。埼玉県出身現在も実家に住む。子息2人は社会人になり独立、夫人と二人住まい。犬2匹飼う。
(坂田)

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