【農協人文化賞】受賞者囲みパーティー 萬歳全中会長が出席2015年7月10日
表彰式、記念シンポジウム終了後、16名の受賞者を囲んで記念パーティーが、JAやJA全国連関係者をはじめ約150名の出席のもと和やかに行われた。
また、パーティーには萬歳章JA全中会長も駆けつけ祝辞とあいさつをした。
記念パーティーは、佐藤喜作(一社)農協協会会長が開会のあいさつをし、次いで、農協人文化賞選考委員を代表して、村上光雄JA三次(広島県)組合長が「この賞は『農協運動の仲間たちが贈る』もので、事業連の推薦の方以外は、選考委員会で多数推薦された方のなかから選考させていただいた方々です。そしてこの賞は、農協の組合長を長く勤めたとか、組合長でなければもらえないというものでもありません。本当に農協のため農協運動のためにがんばって献身された方を表彰するもの」と、この賞の他とは異なる特色を語り、「改革の時期でもある」いま、受賞者が進めてきた「運動の輪をさらに広げていかなければならない」と結んだ。
(写真)受賞者の功績を讃える萬歳会長
その後、石田正昭龍谷大学教授が受賞者を一人ひとり紹介。
来賓の萬歳章JA全中会長、高杉昇(一社)家の光協会専務、山田俊男参議院農林水産委員会委員長(自民党参議院議員)、藤尾東泉新世紀JA研究会代表(JAいわて中央組合長)が祝辞とあいさつを述べた(要旨は下記)。
その後、梶井功東京農工大学名誉教授が、シンポジウムや萬歳会長のあいさつを引用して「これからの協同組合運動にとって大事なことは教育である」と強調。にもかかわらず「今回の農協法改正案では、農協の教育についての文言が完全に追放され、消えてなくなった。これはICAの第5原則を無視した農協法改正案だ」と指摘した。そして「受賞者と共に今後とも農協運動を活発にしていくことを祈念」して乾杯の音頭をとった。
その後、受賞者を囲みその功績を讃えるとともに、互いの経験などを交流して和やかに歓談。
林正照元JAえひめ中央会会長が「いまJAグループは大変です。しかし、負担がかかればかかるほど、これを乗り越えていただきたいと思います。受賞者をはじめみなさまともども農協運動を盛り立てていきましょう」と中締めのあいさつをし、来年の再会を約して散会した。
◆来賓あいさつ (要旨)
◎萬歳章JA全中会長
日本の農協は各部門が総合力を発揮して総合事業を展開して、組合員のために役割を果たすという、日本独特の農協組織です。そのなかで大事なことの一つは、有能な人材を育成する教育が基礎であり、JA綱領をきちんと現場に落として、その思いを胸に職責を果たしていくことが大事だと考えています。今回の農協法改正で大事な経験をさせてもらいましたが、農協とは何ぞやから始まらなければならないという思いを痛感しました。
相互扶助、絆、人と人との関係、信頼と、協同組合セクターが大事な時代状況にあります。
また、世界的にはICAは95カ国10億人を超える組織となり、協同組合の考えに同調する組織がどんどんつくられている。そういう流れに乗って日本の協同組合運動がさらに発展をしていかなければならないという思いを持っています。
農協改革で、全中がやむなく農協法上の組織から一般社団法人にかわることは残念至極ではありますが、どういう所管になろうと、力を合わせることが協同ですから、その力をもって組織の発展をお願いしたいという思いです。受賞者のみなさまには今後ともその優れた指導力で、ご指導を賜りますようお願い申し上げます。
◎高杉昇(一社)家の光協会専務
今年の5月号で「家の光」が創刊90周年を迎えたが、10年後の100周年に向けて家の光協会が何を目指すかという「100周年ビジョン」をつくりました。その基本的な考えは、「家の光協会は、人・組織・地域の幸せづくりをめざす農協運動の底力となります」です。
底力は教育や学習活動で一人ひとりが、みんなと助け合って農協に参加することができて初めて強くなると思います。この底力の発揮に向けて、事業革新をはかりながらご提案をしていきます。
◎山田俊男参議院農林水産委員会委員長(自民党参議院議員)
農協法改正案の審議が参議院で始まるが、衆議院で修正もして可決した法案を参議院で修正することはなかなか難しい。衆議院の議論で課題は明らかになっているので、付帯決議できるように頑張っていく。
何としてでも来年に参議院全国に候補を立て勝たせてほしい。すこしでもJAグループここにあると示してほしい。
◎藤尾東泉新世紀JA研究会代表(JAいわて中央組合長)
長年、農協運動に携わられ、受賞されたことは非常に名誉なことです。同じ運動をしている者としてともに喜びあいたいと感じています。
TPP、農協改革、そして米地帯である北陸・東北・北海道は米価の安さに非常にもやもやしている毎日です。いずれこの問題を解決しない限り、農家の方々は満足できない状況にあるなと思っています。なんとかJAグループ一体となって、この問題に徹底して戦っていただくようお願い申し上げます。
受賞された16名の方々にはこれからも一層農協運動に励んでいただくようお願いいたします。
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