受発注をシステム化 JAの資材事業を効率化――JAグループ2021年6月30日
JA全中とJA全農は6月29日、東京・大手町の本部で、JAグループの生産資材受発注業務の効率化について、全国の実務者を対象にオンラインによる説明会を行った。「受発注センターシステム」や「新・資材店舗POSシステム」についての説明とWeb注文機能についてのデモンストレーション、先行導入のJAの事例報告を行った。
生産資材受発注業務の効率化の説明会(東京・大手町のJAビル)
経済環境が厳しくなるなか、全国連・県連では、JAにおける経済事業の収益力向上、収支改善に向けたJA支援の取り組みを強めている。特に経済事業の中心となる生産資材部門では、生産者のJA事業利用の効率化とJA事業運営コストの削減を目的に、JA全農は「受発注センターシステムによる受発注業務の効率化・組合員との接点強化」、「新・資材店舗POSシステムによる資材店舗の効率化」を重点に取り組んでいる。
受発注センターシステムは、組合員やJAからのWeb注文で出荷する仕組み。これまで生産資材の受発注はファックス、または電話が大半を占めていた。受発注業務が効率化されるとともに、過去の発注をデータ化することによって組合員の情報や購買履歴を画面上で確認できる。2021(令和3年)で、全国で14JAがセンターシステムを導入している。
「新・資材店舗POSシステム」(仮称)は、POSシステムを導入によって店舗運営の改善を進めるもので、店舗ごとに集計した販売実績や在庫情報をJAの本店で一括管理できる。特にJAのおける営農経済センター職員の業務内容をみると、購買業務が全体の6割を占め、配送と資材店舗業務が3割強を占める。生産資材取扱高の右肩下がりが続くなかで、本店一括管理による省人化や単品管理による在庫管理など、効率的な運営が求められている。
受発注センターシステムの導入で事例報告した島根県のJAしまねは2019(令和元)年、全地区本部に導入。発注の手書きが不要になり、ファクス送信の手間が省け、ペーパレス化が進み経費の削減につながるなどの効果をあげている。
このシステムについて、生産資材部資材課の渡部祥幸課長は「簡単で使い易い」と評価。今後さらに、モバイル受注機能の活用による担い手に出向く体制の強化、統廃合店舗の代替案として店舗カタログ機能の活用などを考えている。
また2020(令和2)年に全購買店舗で受発注センターシステムを導入した福岡県のJAみなみ筑後は、1注文につき、手書き・手入力が2回、手作業が3回あったが、システム導入後は1回の入力作業で済むようになった。同JA経済部経済課の中川原蒋之係長は「配送も自動受け入れになって、全業務の事務処理がほぼなくなり、全業務の2割前後削減できた」と評価する。
なお、受発注業務の効率化について、全中はこれまで階層別に説明会を開いてきた。今回は全国JAグループの電算センターや情報システム担当部署などの実務者が対象で、JAグループ受発注業務効率化に向けた取り組みのキックオフ的な説明会となった。7月2日には2回目の説明会を開く。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(174)食料・農業・農村基本計画(16)食料自給率その他の食料安全保障の確保に関する目標2025年12月27日 -
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(91)ビスグアニジン【防除学習帖】第330回2025年12月27日 -
農薬の正しい使い方(64)生化学的選択性【今さら聞けない営農情報】第330回2025年12月27日 -
世界が認めたイタリア料理【イタリア通信】2025年12月27日 -
【特殊報】キュウリ黒点根腐病 県内で初めて確認 高知県2025年12月26日 -
【特殊報】ウメ、モモ、スモモにモモヒメヨコバイ 県内で初めて確認 高知県2025年12月26日 -
【注意報】トマト黄化葉巻病 冬春トマト栽培地域で多発のおそれ 熊本県2025年12月26日 -
【注意報】イチゴにハダニ類 県内全域で多発のおそれ 熊本県2025年12月26日 -
バイオマス発電使った大型植物工場行き詰まり 株式会社サラが民事再生 膨れるコスト、資金調達に課題2025年12月26日 -
農業予算250億円増 2兆2956億円 構造転換予算は倍増2025年12月26日 -
米政策の温故知新 価格や流通秩序化 確固たる仕組みを JA全中元専務 冨士重夫氏(1)2025年12月26日 -
米政策の温故知新 価格や流通秩序化 確固たる仕組みを JA全中元専務 冨士重夫氏(2)2025年12月26日 -
米卸「鳥取県食」に特別清算命令 競争激化に米価が追い打ち 負債6.5億円2025年12月26日 -
(467)戦略:テロワール化が全てではない...【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年12月26日 -
【スマート農業の風】(21)スマート農業を家族経営に生かす2025年12月26日 -
JAなめがたしおさい・バイウィルと連携協定を締結 JA三井リース2025年12月26日 -
「省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業」採択 高野冷凍・工場の省エネ対策を支援 JA三井リース2025年12月26日 -
日本の農畜水産物を世界へ 投資先の輸出企業を紹介 アグリビジネス投資育成2025年12月26日 -
石垣島で「生産」と「消費」から窒素負荷を見える化 国際農研×農研機構2025年12月26日 -
【幹部人事および関係会社人事】井関農機(1月1日付)2025年12月26日


































