イネカメムシ被害を防げ 埼玉県と加須市、「防除」を支援 JAの要請実る2025年5月9日
2024年産米で大きなイネカメムシ被害が出た埼玉県で広域防除への団体向け支援策が新設された。5月7日の記者会見で大野元裕知事が発表した。これとは別に埼玉県加須市では、耕作者向けの支援策を設けた。
上限50万円で委託費用補助
新設されたのは「イネカメムシ広域防除緊急対策事業補助金」で、対象は無人ヘリやドローンで100ヘクタール以上の広域防除を事業者に委託して行うJAなどの団体。上限50万円で委託費用などを補助する。
田植え前に大野知事呼びかけ
イネカメムシの移動パターン
出所:埼玉県知事記者会見資料
大野知事は記者会見で「一部の田んぼだけで防除しても他の田んぼからイネカメムシが移動してきてしまう可能性がある」と広域防除の必要性を強調。①広域防除への参加、②個人での適切な防除(①に参加できない場合)、③収穫後の速やかな耕うん、除草、④農薬の適正使用を農家にお願いした。
埼玉県では2024年、「米どころ」加須市など県東部を中心に深刻なカメムシ被害が発生し収量にも響いた。さらに、カメムシの越冬が増えたことも確認され、今年も被害拡大が懸念されている。
加須市は10アール当たり1000円補助
イネカメムシ防除についての埼玉県の取り組み
出所:埼玉県知事記者会見資料
県と別に加須市も、水稲・大豆のカメムシ等の防除を支援する交付金を創設した(「加須市カメムシ等防除支援交付金」)。市内に住む農業者か本店・事務所が市内にある法人で、薬剤散布面積が30アール以上の農業者が対象になる。
支援対象は薬剤購入費、空中散布委託料、薬剤散布委託料。自ら薬剤を撒くかJA、薬剤散布事業者に委託して防除を行った場合、薬剤散布面積30アール以上5ヘクタール未満は10アール当たり1000円、同5ヘクタール以上は一律5万円を補助する。申請受付期間は7月1日~12月26日だ。
加須市では「ドローンを使って自ら散布する大きな農家もいるし、JAに委託する農家もあると思う。県とは違い市は耕作者に補助する制度なので、要件を満たせば県の補助と同時に使える」(営農支援課)と説明する。
近隣住民の理解得ながら
管内で被害が出たJAほくさいと埼玉県加須農林振興センターは3月、イネカメムシ防除研修会を3回開き、計170人が参加した。県農業技術研究センター病害虫研究担当者や加須農林振興センターの担当者が講師となり、広域防除の有効性や防除適期の重要性を説明した。
JAほくさいでは、「組合長が各市町を回るなどJAの要請もあって、県と市が補助の制度を作ってくれたのはありがたい。当JAでも広域防除を予定している。ていねいに広報するなど近隣住民の理解を得ながら実施したい」(営農支援課)としている。
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